『Re:リベンジ』運命の歯車が狂い出し海斗が新たな境地へ 赤楚衛二の芝居に心揺さぶられる
美咲(白山乃愛)の死をきっかけに医療過誤疑惑が浮上した『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)。第8話は、これまでの流れからは予想もつかぬ展開に背筋がゾクリと冷えることになるだろう。今週も『Re:リベンジ-欲望の果てに-』最新話を試写で観る機会を得たので、放送に先駆けて見どころを紹介していきたい。 【写真】医療への希望が見え隠れする郁弥(錦戸亮)の表情 第7話の美咲の手術には天堂記念病院の思惑が絡み、事態は思わぬ方向へ。ここから海斗(赤楚衛二)の進める心臓血管外科プロジェクトはどうなってしまうのかという場面で第8話へと繋げられた。若林(橋本淳)が指摘したように、美咲の死は医療過誤の可能性があった。若林から病理解剖を遺族に提案すべきだと告げられる海斗だが、悲しみに暮れる陽月(芳根京子)を前に、美咲の身体に再びメスをいれる行為をためらっていた。 加えて、死因が岡田(内田慈)の手術中のミスが引き金となっていたと明らかになれば、心臓血管外科プロジェクトは頓挫しかねない。どう転んでも苦しい立場になってしまう海斗が、どんな決断をするのか……。 今回注目してほしいことの一つが、海斗の運命だ。これまで、どんな逆境をも切り抜け、ついには理事長の座にまで君臨した海斗。そのバイタリティと勢いには目を見張るものがあった。だが第8話からは風向きが変わり、海斗にとって自身の価値観を揺るがす事態が起こることになる。ここで海斗が苦しみ、葛藤、痛み、怒りの中でもがき、新たな境地に達する姿は必見だ。
*郁弥(錦戸亮)の行動の真相、紗耶(見上愛)の恋心、陽月(芳根京子)の立ち位置にも注目 さらに、ここでの赤楚の芝居にも言及したい。これまで赤楚は、うるうるとした子犬のような瞳が評判だった。その瞳のきらめきからは誠実さや愛情、ひたむきで健気な様子が感じられたが、今回は一転、闇堕ちした子犬のような表情も。これまでも取り上げられることが多かった瞳の表現を本作ではこう繋げてきたのかと、赤楚の新境地に思わず心揺さぶられた。 そして、これまで海斗をひきずりおろそうとしていたかのように見えた郁弥(錦戸亮)だが、美咲のこととなればどこか本気で患者に寄り添っているようにも見える。なにより郁弥の些細な表情からは医療への希望が見え隠れしているのだ。郁弥が第8話で見せる一連の行動は果たして海斗への敵意だけが発端となっているのだろうか。もしかしたら理性的な郁弥には海斗には見えていないものが見えているのではないかと思えてくる。第8話は郁弥の行動の真相にも考えを巡らせながら観ることで、より味わい深い回となるだろう。 クライマックスに向けて怒涛の展開を見せる『Re:リベンジ-欲望の果てに-』。未だ決着のつかない紗耶(見上愛)の恋心から、ここにきて海斗に信頼を寄せる陽月の存在まで、メインの物語以外も大きく動く今週はまさに見逃せない回となる。これだけの出来事が立て続けに起こってしまったら、このあとは一体どう収拾を付けるのだろう……と心配にもなるが、「リベンジ」のタイトルらしく、我々が想像もしない大逆転が待っているのかもしれない。
Nana Numoto