「超円安」で外食業界に再び値上げの波が押し寄せる?原材料価格の上昇で値上げは不可避か
国内事業は毎四半期ギリギリの黒字と苦戦が続く。全面的な値上げを避けメニューの改廃で対応する方針だが、さらなる円安が定着すれば、国内は一段と厳しい環境になるだろう。 ■コスト増要因は多く、値上げ不可避か 円安だけではない。今春は外食業界でも多くの企業が賃上げを実施した。最低賃金も上昇し、人件費は上昇傾向にある。残業規制の導入による「物流2024年問題」も課題の一つ。各社は配送頻度を減らすなどの対応をとっているが、物流コストの上昇が見込まれる。
エネルギーコストも同様だ。2023年1月から政府が実施してきた「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は5月末で終了する方向だ。一段のコスト増は避けられない。 さまざまなコスト増に超円安が重なり、国内の外食各社は厳しい状況にある。値上げを進めてきた業態も、価格転嫁のために、さらなる値上げに踏み切る可能性がありそうだ。
金子 弘樹 :東洋経済 記者