<参院選>安倍政権、半年間の「実績」は
今回の参議院選挙は、発足して半年たつ安倍晋三政権への審判でもあります。この半年で安倍政権はどんな結果を残したのか、ざっくりと振り返ってみましょう。 ■経済 ・「アベノミクス」と呼ばれる経済政策で、金融政策・財政政策・成長戦略という「3本の矢」を放ちました。特に金融政策では、安倍首相の意向を受けた日本銀行が2%の物価目標を設定し、「異次元」の金融緩和に踏み切ったことで景気回復への期待が高まりました。途中で勢いが落ちたものの株高・円安が進み、一部企業の業績や個人消費が上向きましたが、輸入品は値上げされ、雇用や賃金は改善されていません。 ■エネルギー ・東京電力福島第1原発事故を受け、原子力規制委員会が原発の新規制基準を作成。フィルター付きベント(排気装置)の設置など、一定の基準を満たした原発の再稼働に道を開きました。 ■政治 ・公職選挙法の改正でネット選挙運動が解禁され、候補者や政党、有権者が選挙期間中にツイッターやフェイスブックなどで投票を呼び掛けることができるようになりました。 ・衆議院の「一票の格差」を是正するため、小選挙区定数を5つ減らす「0増5減」の区割り法が成立しましたが、抜本的な見直しには程遠い状況です。 ■教育 ・2011年の大津市中2男子自殺事件などを受け、いじめ防止対策推進法が成立しました。いじめ防止対策の組織を学校に常設する、重大ないじめがあれば学校が事実確認して被害者側に情報を提供する、などが義務付けられました。 ■外交・安保 ・貿易自由化を進めるTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加が決まりました。ただし根強い反対論に配慮して、コメなど重要農産品の関税撤廃の例外を求める方針です。 ・ 首相官邸主導で外交・安全保障政策を立案する国家安全保障会議(日本版NSC)の創設を打ち出しましたが、関連法案は継続審議となりました。 ・民主党政権下で悪化した韓国や中国との関係は、修復できていません。 ■廃案 安倍首相に対する問責決議案が参院本会議で可決された影響で、以下の重要法案が廃案になりました。 ・電力事業の競争を促す「発送電分離」に向けた電気事業法改正案 ・生活保護の引き締めを図る生活保護法改正案と、生活に困る人の自立を促す生活困窮者自立支援法案