高市元大臣の後任も筋金入りのマニア! 愛車の異名は「走るシーラカンス」まさかの激レア車
人気マンガ『こち亀』に登場したことも
『こち亀』に「デボネア」が登場したのは1984年1・2合併号のこと。この号に掲載された「マイベストカーの巻」(コミックス38巻に収録)は、なんと「デボネア」が主役のエピソードでした。 ストーリーは主人公の両津勘吉(両さん)とその後輩である中川圭一が、ドライブ中に街で「デボネア」を見かけたことから始まります。そのオーナーは「デボネア」を愛するあまり、気に入らないクルマに「復讐」と称して執拗なまでの嫌がらせをする粘着質の男だった……という内容です。 このマンガの中で両さんは「デボネア」を見るなり、「動く60年代の生き証人。現代の反逆児。その名はデボネア!」と言い放ち、「大手町以外では走っていないと思っていたが……。こんなところを走っていたとは! う~む、おそろしい。それもピッカピカ……」と続けたあと、「中川、早く逃げろ! どんな思想を持っているやつかしれんぞ!」と運転中の中川に距離を取ることを促します。 このセリフからは、当時の「デボネア」が置かれた立ち位置が読み取れます。また、それとともに、読者であった少年たち(もちろん筆者も)に、同車の印象をその名前とセットで強烈に残すことへとつながっています。 城内大臣の「デボネア」は、2代目モデルの登場を間近に控えた1986年型、つまりは最終生産型です。城内大臣は21歳のときに新車でこのクルマを買ったそうですが、当時は「ソアラ」や「マークII」などの「ハイソカー」全盛時代。それらの競合車種として、まず「デボネア」の名が挙がることはありません。 そういったなか、他人の目や流行など気に留めることなく、同車を選び、38年もの長きにわたって乗り続けているのですから、城内大臣が筋金入りの自動車好き、旧車好きであることは間違いないでしょう。
山崎 龍(乗り物系ライター)