【Playback箱根駅伝】第40回/中大が日大との28秒差激闘制して6連覇の金字塔!!記念大会で関東外から立命大と福岡大がOP参加
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第40回箱根駅伝の総合成績と区間賞一覧をチェック!
第40回(1964年/昭和39年)中大が6連覇!今も色褪せない金字塔 記念大会で立命大と福岡大が参加
東京五輪が開催される1964年の正月だった第40回大会は、記念大会として戦後初めて、関東地区以外から立命大と福岡大がオープン参加した。 6連覇に挑んだ中大は、猿渡武嗣が3度目の1区に出走して区間4位発進。2区ではオープン参加だった福岡大の重松森雄が、従来の記録を4分21秒も更新する1時間13分52秒という区間新記録で、6人を抜いて2位に浮上した。重松は翌年、マラソンで2時間12分00秒と世界最高記録を樹立する。 4区では岩下察男が区間賞。20.4kmを59分54秒という驚異的な記録を打ち立てた。2006年第82回大会で18.5kmになるまで、ただ1人60分を切った異次元の記録だった。 中大は5区の中村健司も区間賞。この2人でトップに立つと、往路を5時間50分57秒で制す。だが、大差とはいかず、13秒差と僅差で日大が追った。 6区は2年連続で奥貫博が区間賞を獲得し、日大が再び首位に立つ。7区は中大の井上鉄石、8区は日大の高橋英雄と2校が区間賞を争った。鶴見中継所では日大が2分17秒のリードを奪ったが、中大アンカーの若松軍蔵が日大に迫る。青物横丁駅横でついに日大を捕らえ、中大が土壇場の逆転劇で6連覇を達成した。 中大は11時間33分34秒の大会新記録を樹立。6連覇は今も残る最多連覇となっている。涙をのんだ日大は、11時間34分02秒とわずか28秒差だった。1・2位の28秒差は歴代4位に小差だった。 この大会では3位の国士大から東洋大、順大、日体大、そして7位の早大まで11時間台をマーク。大幅なレベルアップが印象に残る大会となった。オープン参加の立命大は12時間9分41秒(参考)、福岡大は12時間11分54秒(参考)。 同年開催された東京五輪には箱根駅伝経験者が7人出場。そのうち中大勢は6人で、在学中の猿渡、岩下のほか、6連覇メンバーの横溝三郎も3000m障害の日本代表として出場した。また、39、40回大会には順大に澤木啓祐(2区)と小出義雄(8区)と、後に名指導者となる2人が競演している。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部