じつは「動物性たんぱく質」は摂りすぎてはいけない…死亡リスクが上がる「危険な食べ方」に専門家が警鐘
「もっと、たんぱく質をとりましょう」……糖質制限によるダイエットをはじめ、世間はいま、ちょっとした“たんぱく質ブーム”ですが、「動物性のたんぱく質は摂りすぎると健康によくないというエビデンスが出ている」と話すのは、チャンネル登録者数75万人超の人気YouTube「予防医学ch」を運営する現役医師・森勇磨氏。同氏の新刊で、100冊分の健康書ベストセラーを1冊に要約した『予防医学で健康不安は消せる! 100年長生き』より一部編集・抜粋し、健康効果が期待できる、ただしい食事法について解説します。 【マンガ】「長者番付1位」になった「会社員」の「スゴすぎる投資術」の全容
世界一の健康食はたんぱく質が少ない
筋肉が大事といえば、「たんぱく質を摂らなきゃ」と思う人も多いかもしれません。最近、「もっとたんぱく質を摂りましょう」「肉を食べましょう」といったメッセージの本が次々と出版され、ちょっとしたたんぱく質ブームです。 ただ、「たんぱく源として積極的に肉を食べましょう」という考えは、医師としてはあまりおすすめできません。同じく医師の岩田健太郎さんも、健康と食事についてエビデンスやコスト、安全性、食材の選びかたなど多角的に解説した『実践 健康食』で、こう述べています。 地中海食は他の食事に比べて、タンパク摂取が少ないのも特徴です。タンパク質はアミノ酸からできていますが、アミノ酸摂取が減ると、乳がんや前立腺がんの予防効果に有効かもしれない、というデータもあります。 もっとも、こう考えると、高タンパク質の食事である糖質制限食は、糖尿病や肥満にはよくても、がんの予防という観点からはよろしくない、という考え方もできるかもしれません。 『安い・美味しい・簡単 実践 健康食』より ちなみに地中海食とは、地中海沿岸の人々が食べている伝統的な食事で、心血管疾患や脳卒中、肥満、糖尿病、高血圧、一部のがん、アレルギー疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病などの予防効果が報告されています。つまり、エビデンスのある健康食です。その地中海食の特徴として、魚はほどほどに食べるものの、赤い肉(牛肉、豚肉など)や加工肉は週1回以下なのです。