「ハスの実がいっぱいとれたのよ」 さて何に使うのでしょうか? - 音羽山観音寺後藤住職の花だより
奈良県桜井市にある尼寺「音羽山観音寺」は、今は融通念仏宗の寺です。ハスは仏教には縁深い花ですが、融通念仏宗にとっても大切な花のようです。 [写真]ハスの実は数珠にも使う
「ハスの実がいっぱいとれたのよ」 住職がうれしそうに、ハスの実がたくさん入った容器を見せてくれました。 住職の庭にもハスがあり、7月下旬にはきれいな花を咲かせていました。 「本当は3月ぐらいに植え替えする方が良いんだけど、泥は冷たいしね。2年植え替えしてないわ」 庭には10鉢以上のハスの鉢があります。その上、この春に大賀ハスも加わっています。来年の春にはいよいよ植え替えでしょうか。 何となく仏教とハスに縁があるとは感じていましたが、改めて住職に聞いてみました。 「ハスは泥の中から出てきてきれいな花を咲かせるでしょ。それが、俗世で汚れていても、つぼみを出して悟りを開くことができるっていうことね」 なるほど、と納得です。それぐらい、夏に見たハスの花は印象的でした。 「ハスの実は穴を開けて数珠に使うのよ」と住職。融通念仏宗では常にハスの実の数珠を使うそうです。住職も普段使っているという、ハスの実の数珠を見せてくれました。
「穴は機械を借りて開けるんだけど、器用な人に開けてもらわないとね」 観音寺ではご縁日の日などに念珠づくりも行っており、そこでハスの実を選ぶこともできるそうです。 夏に咲いた花が今度は実となり、数珠として利用される…。自然の中には無駄なものはないのかもしれませんね。 音羽山観音寺 山の中にある尼寺。桜井市南音羽。 JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。 火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門