「一日警察署長」の選考基準の謎…なぜ森香澄らが選ばれるのか、元警察官が"意外過ぎるギャラ事情”も明かす
9月に「秋の全国交通安全運動」がスタートし、女優の広瀬アリス(29)やAKB48の小栗有以(22)、TBSアナウンサーの田村真子アナ(28)など、この1か月間でさまざまなジャンルで活躍する芸能人が、一日署長を務めた。 ■【画像】「反則級のかわいさ」TBSの朝の顔も制服姿で敬礼■ 「全国の各警察署から選ばれた華やかなタレントが、警察の制服に身を包んでいる姿は、ニュースでもよく取り上げられます。しかし、その選考基準などの裏側を知っている方は少ないのではないでしょうか」(全国紙社会部記者) そこで今回、知られざる“一日警察署長”の謎を調査。選考基準から、気になるギャラ事情、逮捕の権限有無まで紹介しよう。 元警察官で、犯罪ジャーナリストとして多くのメディアに出演している小川泰平氏は「自身も警察署にタレントを紹介することが多い」と、次のように話す。 「大抵は警務課という部署から依頼が届くことが多いです。署長や副所長から直接連絡がくるケースもありますね。候補のタレントを紹介してほしい、といった具合です。逆に、私のほうからタレントをオススメすることもありますよ」 では、そのオファーの基準は何なのか。 「一日署長は、その警察署の管轄内に居住している人や、ゆかりの著名人を指名することが多いです。前科前歴がある人は選ばれません。不倫や裏社会のつながりなどのスキャンダル報道がない、クリーンな人が選ばれやすいです」(前同、以下=小川氏) 情報化社会の近年では、その選考基準も少しずつ変わってきているという。 「地域住民向けのイベントで、事前に大々的な告知はしないので、以前は地元の人しか見に来ることはありませんでした。ところが最近は、SNSですぐ情報が広がってしまいます。若い女性やアイドルを選ぶと、遠方から見に来るファンも多く、トラブルにつながることもあり、起用を控える傾向にあります」
■気になるギャラの金額は
一日警察署長イベントには、交通安全運動や特殊詐欺防止の呼びかけなど、地域住民に向けたアピールという意味合いがある。著名なタレントを起用することによって、テレビをはじめ各種メディアに取り上げてもらえるため、一般の人々により広く認知してもらえるというのだ。 一方で、起用されるタレント側にも大きなメリットがあるという。 「一日署長を務めると、感謝状をもらえます。それは、前科前歴がないという証明になるんです。芸能界では、クリーンなイメージが求められますから、起用してほしいと思うタレントも多いようです」 一日署長としての拘束時間は半日程度。警察署の中で点検を行い、各課をまわると、その後パレードなどの外活動を行う。そして最後に感謝状をもらって終了というスケジュールだ。 では、そのギャラ事情はどうなのか。 「ギャラというものはありません。ただ、お車代として1万円が支払われる場合もあります。加えて、警察の外郭団体(警察官友の会やや交通安全協会など)から寄付という形でもお金を渡しますが、多くて3万円ほど。人によっては1万円という人もいるので、ボランティア活動に近いです」 最後に、一日署長になれば、警察の一員として“一日権限”も手にすることができるのだろうか。 「残念ながら、警察官が持つような権限はもらえません。しかし、署長扱いではあるので、その警察署の署長と同じ階級を与えられます。署長は、警視か警視正なので、胸には本物同様に、その階級章がつけられます」 これら裏事情を知ったうえで、一日署長の姿を見てみるのも、また一興かもしれない。
ピンズバNEWS編集部