バブル期のリゾート地では1室数千万円も、いまや数十万円まで値下がり…「貧乏マンション」の悲惨な末路【サラリーマン大家が解説】
3.廃墟化 老朽化が顕著に表面化されて安全性が欠如していくことで、マンションの居住者が減っていき、空き部屋が増えていきます。それに伴って、引っ越した外部の区分所有者の方の家計が火の車になると、管理組合への管理費などの滞納金が増えることにもつながっていきます。 本来、建物を定期的に修繕するための費用が不足しているような貧乏マンションであれば、管理費および修繕積立金を適正な金額に値上げしていくことが求められるのですが、前述したような状況に陥ってしまっていては、もはやそのような改善が実現できる状態ではないでしょう。 管理費などの滞納が継続すると、そのマンションの管理組合の資産状況は実質的には赤字となります。そのため、建物を維持するための必要最低限の補修すら実施がままならないことが容易に想像できます。 その結果、貧乏マンションの末路は廃墟と化していくのです。このような廃墟化していく可能性の高いマンションのことを、「要除却認定マンション」や「管理不全マンション」と呼んでいます。 国土交通省も問題視していて、さまざまな施策や支援を打ちだしてはいます。しかし、そのようなマンションは建物の高経年化によって、今後ますます増加していく可能性が高くなっていくでしょう。 国土交通省の発表資料(「第1回要除却認定基準に関する検討会参考資料」より)によると、築40年を超えるマンションが国内において令和元年では約91万8千戸あり、令和11年には213万5千戸にまで急増していくと発表されています。 片岡 史朗 マンションLIFEコンサルタント ※本記事は『買った後に絶対後悔しない! 金持ちマンション購入術』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
片岡 忠朗