生田絵梨花がツアーファイナルでファンヘ語る気持ち「今日みたいな思い出が皆さんの日常の中でも少しでも思い浮かぶと幸せです」
2021年に乃木坂46を卒業し、現在はミュージカルをはじめ、テレビドラマや映画などで俳優としても活躍中の生田。4月にソロアーティストとして初の作品となる1st EP「capriccioso」をリリースし、その作品を引っさげて埼玉から愛知、大阪、宮城、東京、神奈川を回るツアー「Erika Ikuta Tour 2024『capriccioso』」を開催した。 【写真を見る】アコースティックギターを演奏する生田絵梨花 開演時間となり、バンドメンバーに続いて、生田がステージに登場。グランドピアノの前に座ると「皆さん、こんばんは。生田絵梨花でーす! 『capriccioso』ツアー・イン・横浜、気ままに気まぐれに楽しんでいきましょう!」と呼びかけ、「Laundry」でライブが始まった。"気ままに""気まぐれに"というのはタイトルの「capriccioso」の音楽用語としての意味で、その言葉の通り、楽しげにピアノを弾きながら軽やかな歌声を聴かせてくれる。続けて「I'm gonna beat you!!」を披露し、オーディエンスも手拍子で盛り上げていく。 2曲を歌い終わったところで改めてあいさつをし、「皆さんのパワーをめちゃめちゃ感じてます」と言って、3階、2階、1階の観客に順番に呼びかけ、「一緒に最高のライブを作ってくれますか? すでにとってもとっても満たされた気持ちですが、ここから皆さん、忘れられない一日になるように頑張ります」と意気込みを伝えた。 そしてEPにも収録されている藤井風の「ガーデン」、森山直太朗の「花」のカバーを、ピアノの弾き語りで、ゆったりとしたリズムで温かい歌声で聴かせてくれた。そして「チャレンジコーナーです!」と言って、アコースティックギターで「ビートDEトーヒ」を披露。この曲は、お笑いコンビ"かまいたち"の濱家隆一とのユニット"ハマいく"の楽曲で、NHK紅白歌合戦でも歌唱したお馴染みの曲。コロナ禍でアコギを始めたという生田だが、4年ほど触っていなかったようで、今回のツアーのために再チャレンジしてみたという。ピアノのイメージが強い生田だけに、アコギでラップのあるこの曲を歌うというのはとても新鮮に感じる。「私、夢あるんです。今回、ヴァイオリンもギターもバンドメンバーの皆さんに先生になって教えてもらったんです。まだ先生がいるじゃないですか。ドラムとウッドベースもチャレンジしてみたいです! 「ビートDEトーヒ」で全部の楽器弾きたい! 駆け回って」という夢を明かした。有言実行となるのか、来年のツアーが楽しみだ。 続いては、ディズニー100周年記念作品の長編アニメーション映画「ウィッシュ」で生田が主人公の少女アーシャの日本版声優を務めたということで、劇中の楽曲「ようこそ!ロサス王国へ」、「誰もがスター!」、そして「ウィッシュ~この願い~」を披露。ミュージカル経験の多い生田だけに、このコーナーではしっかりと「ウィッシュ」の世界観を作り上げ、ミュージカルのステージを見ているような気分にさせてくれた。 MAMAMOOの「HIP」をダンスと共にクールに歌い、IVEの「ELEVEN」をピアノを弾きながらバンドとの見事なアンサンブルで披露した。 ここから後半戦。K-POPの世界の次は"懐かしの夏ソング"のコーナーへ。ピンク・レディーの「渚のシンドバッド」では名前のコールをリクエストし、曲中に客席から大きな「いくちゃん!」コールが響いた。ラッツ&スターの「め組のひと」でもお馴染みの「めっ!」を決めポーズと共に披露。サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」ではコール&レスポンスで観客との一体感をさらに強め、「今何時?」と一緒に叫び、タオル回しまで! いよいよライブも終盤。ここで披露したのはYOASOBIの「アイドル」。リズミカルに歌い、大サビではピアノを弾きながら歌うというエモい展開に。「皆さん、愛してます! 最高だよ!」と呼びかけ、「きっと、今この瞬間、日本で一番、いや、世界で一番ここが熱かった自信があります!」と会場の盛り上がり、観客との一体感に大満足の様子。そして、「こうやって皆さんが集ってくれたこの瞬間に寄り添い合いたいのはもちろん、皆さんが家に帰って一人になって落ち込んだ時も、『ここにいるよ』って言える存在でありたいと思っています。今日みたいな時間を一緒に共有したあと、その思い出が皆さんの日常の中でも少しでも思い浮かぶと幸せです」といった思いを伝え、「だからね」で本編を締めくくった。 アンコールの声に応えて再びステージに登場した生田。連続ドラマ初主演作「素晴らしき哉、先生!」の主題歌「歌を贈ろう」(竹内まりや)を歌い、ミュージカル「レ・ミゼラブル」より生田が演じる"ファンテーヌ"の歌唱曲である「夢やぶれて」を感情豊かに歌い上げた。 「ここで1曲、皆さんに聴いてもらいたい曲があります」と言って披露したのは、生田が作詞を手がけ、バンドメンバーの伊賀拓郎が作曲した新曲「シンフォニー」。「今回、ツアーを回る中で、皆さんと、一人一人と一緒に時間を過ごして、バンドメンバーの皆さんや、ライブチームの皆さんと音楽を奏でて感じたことを曲にしたいなと思って書いてきました。みんなで一緒に奏でてる、そういう感覚を私はライブをしながらたくさん感じたので、そういう意味合いと、それぞれ個性も違うし、それぞれここまでの歩み方も違うけど、同じ場所に集って、温もりを渡しあって、この温かい空間ができてるんだなと思って作りました。皆さんへの思いを乗せて届けられたらと思います」と曲紹介し、歌い上げた。ラストはコロナ禍に初めて作詞作曲した曲「No one compares」。「誰も何も比べられるものはない。それくらいあなたは特別な存在。感謝を込めて歌います」とピアノを弾きながら、言葉の一つ一つを噛み締めるように歌唱し、幕が下ろされた。 シンガーソングライター的な一面や、ポップシンガー、アイドル、ミュージカルスター、ピアノやギターを奏でるミュージシャンなど、才能豊かな生田絵梨花の魅力が存分に発揮され、その魅力をたっぷりと味わうことのできたライブとなった。いろんな発見があり、その中から新たな可能性も感じさせてくれるこのツアーファイナル公演をぜひ、じっくりと楽しんでもらいたい。 文=田中隆信 ※この記事はライブレポートのため、実際の放送内容とは異なります。
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