システム障害の裏側には人間の判断がある
■デジタル処理の基盤を考えるのは人間だ デジタル処理が当たり前になり、デジタル処理抜きに日々の暮らしを送ることが不可能な時代ではあるが、それを支える基盤を考えるのは人間だ。たとえAIがソフトウェアコードを生成するとしても、そのアルゴリズムを考えて、AIに作成指示を出すのは人間だ。そして、その人間の指示に曖昧なところがあればいろいろなトラブルが起こる。 うるう年はもちろん、西暦2000年問題などに遡っても、人間の最終的な判断が引き起こしたトラブルが目立つ。はるか未来の日付があって、そんな先までそのソフトウェアが使われるはずがないという想定がトラブルを生んだりもするわけだ。うるう年があるのはわかっていても、それを無視して仕様にしているプログラムもある。ちょっと昔のデジタル時計などはそういうものが散見された。 ちなみにうるう年に伴うプログラムミスは、まず、その年の2月29日に発覚するとされる。存在しないと決め打たれた日付だ。そして次に発覚するのはその年の大晦日だ。 まだ先の話だが、うるう年の12月31日に何かが起こるというのは利用する側も、利用させる側も、そして何よりも、システムの運用者にとっては考えたくないことだ。こうしたことこそ、まっさきにAIがチェックしてくれればいいのにと思う。 ■ 著者 : 山田祥平 やまだしょうへい パソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。
山田祥平