コンビナートで県防災訓練 大地震想定、危険物の漏出など対策【宇部】
県石油コンビナート等総合防災訓練は7日、宇部市小串のUBE宇部ケミカル工場東西地区とその周辺海域で行われた。同工場や宇部・山陽小野田消防局など10機関から200人と車両16台、船舶4隻、ヘリコプター1機が参加。大地震発生時の設備点検、警戒区域設定、拡散防止活動などで連携体制を確認した。県、市、宇部・小野田地区特別防災区域保安防災協議会主催。 南海トラフ地震が発生して市内で震度6弱を観測し、同工場内のタンクから大量の液化アンモニアが漏出したという想定。UBEは地震発生直後に地震対策本部を設置。液化アンモニアの漏出を発見すると、同本部を災害対策本部に切り替え、工場内に連絡室、指揮所を次々と開設した。 同消防局や宇部警察署などの関係機関が到着すると、現場指揮権は消防局に委ねられ、アンモニアの拡散を防ぐために消防局やUBE機動隊による放水が行われた。UBEはロボット犬やドローンを使って危険区域内の状況を確認。負傷した作業員の救助や漏出停止の応急処置など、本番さながらの訓練で災害対応の手順などを確認した。 新川地区自主防災会が参加した避難訓練もあり、海上では宇部海上保安署の巡視艇2隻が出動して漂流者を救助した。 県総務部の伊田敏章理事は「全国的に自然災害が多発する中、県内には3カ所のコンビナートがある。事故が起きたときにきちんと対応できるように、平素から準備をしておくことが重要」と話した。