「たとえスベっても…」演技派・山本耕史がすっかり”コメディ俳優化” 芸歴47年が追求する”笑い”
山本耕史(47)が新たな魅力を振りまいている。 昨年放送されたドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)で素っ頓狂な編集者を演じ話題を集めたが、前クールの『きのう何食べた?』(テレビ東京系)では恋人に振り回される芸能プロダクション社員。現在放送中の『不適切にもほどがある!』(TBS系)では、やたらコンプライアンスに神経質なテレビ局のプロデューサーなど、最近の山本はユニークな役柄を演じることが多くなった。 【超貴重】すごい!山本耕史と妊娠中の堀北真希の夫婦ツーショット画像 斎藤工と共演した『ヒノキヤグループ』のCMはまるでコントドラマのようだ。お互いをフルネームで呼び合い、山本は表情ひとつ変えずタンクトップ姿で鉄アレイを持ち上げたり、上半身裸の状態ですりガラスの向こうから斎藤を見つめたり……。ここ数年での彼の変わりようを見てSNSには、 《山本耕史さんってこんなに面白かったの?ますますファンになった》 と少々困惑しながらも、“シン山本”にエールを送っている声が多い。 「山本は0歳のころから乳児モデルをしており、5歳の時に出演した『雪印ネオソフト』のパンを食べる可愛い男の子は当時も話題になったほどです。俳優デビューしたのは’86年に放送されていた長渕剛と志穂美悦子が共演した伝説の番組『親子ゲーム』(TBS系)の第1話でした。 翌年には日本初演の舞台『レ・ミゼラブル』で、少年革命家ガブローシュを演じています。いわゆるテレビ俳優としてではなく、舞台で“天才子役”と言われるほどの実力者でした」(テレビ誌ライター) 芸歴は実に47年にも及ぶ。そんな彼の名が一般に知られるようになったのは’93年に放送された月9ドラマ『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)に出演した時だ。 「当時16歳だった山本は足が不自由で車いすの生活を余儀なくされた四男を演じていました。あまり言葉を発せず引っ込み思案な性格だったが兄弟と一緒に暮らすことになって、やがて明るさを取り戻していくという役柄を上手に演じていましたね。甘いマスクで、若い女性の人気が一気に上がりました」(前出・ライター) その後も数多くのドラマや映画、舞台に出演し、俳優として確固たるポジションを得たが、彼が演じてきた役はどちらかというとニヒルでダンディな人物。クセのある悪役も多かった。それがここにきて、クスっと笑わせられてしまうような役が増えている。 「これまでクールな役が多かったので、そのギャップに驚いているファンも多いでしょう。実際のところ普段の彼は超が付くほど真面目でね。それでいて天然なところがあるから見ていて面白いんです。素だとは言いませんが彼の持ち味がよく出ていると思います」(ドラマ制作プロデューサー) 昨年、北野武の自伝小説『浅草キッド』が舞台化され、山本はたけしの師匠である浅草芸人・深見千三郎を演じた。当時『T JAPAN』(’23年10月14日配信)のインタビューで、人を笑わせることについて尋ねられ、こう答えている。 《僕は喜劇俳優という括りの俳優ではないので、“笑い”をそれほど語れるわけではありませんが、“人を笑わせるのは難しい”とはよく言われていますし、確かにそう思うところもあります。“笑わせる”、“笑われる”はもちろん違いますが、笑われた方が救いになることもあるし、笑わせようとしすぎると全く笑われないこともあります》 《僕が役を演じるときは、人を笑わせるのではなく、自分が面白いと思うことを演じることにしています。僕はたとえスベったとしても、自分にとって面白いことを演じる方がしっくりくるんです》 山本が、演じる役を思いっきり楽しんでいることがよくわかる。コメディ俳優として大泉洋やムロツヨシ、阿部サダヲらの名前が挙げられるが、山本が彼らの仲間入りをするのもそう遠くはないだろう。
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