県産酒の魅力を体感 山形・日本酒学校が開校
県酒造組合(会長・佐藤一良鯉川酒造社長)による第21期日本酒学校の開校式が16日、山形市の県酒造会館で行われた。県内外の34人が来年7月まで5回にわたり、座学や酒造り体験、酒蔵見学を通じて県産酒の知識を身に付け、魅力を体感する。 初回講義は日本酒概論の座学で、県工業技術センター食品醸造技術部の石垣浩佳部長が講演した。石垣部長は「山形県は良い酒米、良い水に恵まれ、名酒を造れる」と強調。高品質な特定名称酒の醸造割合は日本全体で38%にとどまるのに対し、県産酒は85%を占め、苦みが少なく、クリアな味に定評があるとした。 また、各蔵の杜氏(とうじ)が醸造技術を披露し、品質向上に寄与している県研醸会の存在を紹介。出羽燦々(さんさん)、出羽の里、雪女神と続く本県生まれの酒造好適米について解説し、統一ブランドの純米大吟醸酒「山形讃香(さんが)」の誕生秘話を語った。県内酒蔵が積極的に輸出に取り組む現状にも触れた。
引き続き、受講者は利き酒に挑戦した。石垣部長から少量の酒を口に含み、空気を吸いながら舌の上で転がすようにして味と香りを確かめる手法を教わり、9銘柄を飲み比べた。同市緑町4丁目、公務員瀬戸順次さん(48)は「学校で山形の酒について学び、いろいろと考えながら飲めるようになりたい」と話した。