三宅健がアルバム「THE iDOL」をリリース 体現する唯一無二の“アイドル”像
三宅健が6月5日、ソロアルバム「THE iDOL」をリリースした。30年のアイドル活動を経て三宅がたどり着いたのは、自らの職業であり生き様、そして紛れもなく現代日本を代表する文化である“アイドル”だ。 【画像】三宅健その他の撮り下ろしショット 2020年代のJ-POPらしい多種多様な音楽ジャンルを詰め込んだ仕上がりながらも、何よりも印象的なのはアルバムとしての強いトータル感。そこには三宅が愛するアートへの強いリスペクトや情熱を感じずにいられない。そして、SIRUPやMicro、WurtSら数々のアーティストと共に作り上げた各楽曲にはどれも捻りが効いていて、さらりと聴き流すことも、深く掘り下げることもできるポップソングの理想的なバランスが実現されている。7月で事務所・TOBEに移籍して1年を迎えた。三宅健はどのように「THE iDOL」にたどり着いたのか?
三宅はインタビューの席に着きながら、腕に身につけた「ゴローズ(GORO’S)のバングルについて「14~15歳の頃、ネイティブアメリカンに憧れて購入したんです。以来、『ゴローズ』以外のアクセサリーは身に着けないと決めたんです」と教えてくれた。「THE iDOL」にも、このインタビューでの発言にも、そんな三宅の初期衝動と継続への強い意思が通っている。
悲しさや苦悩までも包括した“アイドル”
WWD:三宅さんは以前、「好きなアーティストとコラボしながら、音楽を作っていきたい」といった思いを語っていました。今作にもそのコンセプトは当てはまりますか? 三宅健(以下、三宅):そうですね。普段好きで聴いているアーティストを中心に、今の自分や今の気分に合う人たちに楽曲を提供していただきました。ただ、前作であるミニアルバム「NEWWW」(2022年11月リリース)は全体的に暗めの楽曲が多かったこともあり、「今回はよりポップに」と考え、全体的に明るめの楽曲を集めたという違いはあります。 WWD:何よりも「THE iDOL」という直球ながらも含みの感じるタイトルが印象的です。メタ的に“アイドル”を掲げたのには、活動30周年という節目が関係しているのでしょうか? 三宅:今回は、若手など新進気鋭のクリエイターの方々に楽曲を提供してもらうことで、30年間アイドル業をやってきた僕の新たな一面を引き出してもらいたかった。もう一つはまだ具体的には言えないのですが、自分自身を題材としたプロジェクトを考えていて、それとリンクしたものにもなっています。 グループとしての活動を終えて一人での活動を始めるにあたり、これからの自分について深く考えました。言ってしまえば、アイドルという選択をしなくてもよかった。でも、アイドルとしてやっていくことを決意した時に、「アイドル・三宅健とは何か?」という問いとすごく向き合うことになったんですね。そんな時期に作ったのが、シングルとしてリリースをした「Ready To Dance」と「iDOLING」です。それぞれSIRUPとMicroと一緒に作った曲ですけど、僕の頭の中と彼らの意見を重ねて試行錯誤しながら作ったので、この2曲にはリアルな僕が詰まっている。「Ready To Dance」と「iDOLING」を中心に他の楽曲が集まってきたことで、「THE iDOL」というアルバムが完成しました。