限界集落に芝居小屋を…岡山市内の過疎地域で再興を目指した取り組みを紹介
TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」。「New global」のコーナーでは、岡山の限界集落でおこなわれている取り組みについて取り上げました。 ◆岡山の限界集落で始まった新たな試み 昨今、都市部に限界集落が発生し、大きな問題になっています。そのひとつが政令指定都市でもある岡山県岡山市。中区西中島町は明治以降に遊廓の界隈として繁栄しましたが、戦後経済の復興のなかで賑わいは途絶え、人口流出に伴う過疎化と住民の高齢化がインフラ未整備の環境下で進行。現在の世帯数は50、平均年齢は約70歳で、小中高生はいません。 この西中島町は、1877年に木下大サーカスの起源となる芝居小屋「旭座」が開設された場所。 そんな西中島町で今、ある取り組みがスタートしています。NPO法人アートファーム代表理事の大森誠一さんはこの地を再び表現で溢れる場にすべく奔走。同地区内の建物を借り、芝居小屋の開設に勤しんでいます。 芝居小屋ができた暁には音楽、演劇、舞踊やダンスなどさまざまなステージを計画しているそうで、「小さい劇場が大きな未来を育んでいきたい」と大森さん。 また、ここでの楽しみを聞いてみると、「いろいろな方が集って、交流が始まるってこと」と言い、「ゆくゆくは地域にとってのいろいろな場にしていきたい。地域が交流できるような場所にしていければ」とも。 そして、「文化やアートの力によってそれが機能していくと思う。そんなに華々しい未来ではなくてもいい、温かみのある人の声が届きやすかったり、労わり、愛があったり、そういう場所にしていければ」と今後の展望を語ります。 限界集落については日本だけでなく、世界でも問題視されています。例えば、ドイツでは産業の弱さや西ドイツへの人口流出で東ドイツが過疎化。空間整備法などの法律による多極分散型の地域政策がおこなわれているそうで、キャスターの堀潤曰く、アートや文化的な側面から人々を呼び込むアプローチなども重要視されているとか。 一方、韓国では2004年に「国家均衡発展特別法」を制定し、落後地域(現・成長促進地域)を70市郡選定。そこに徹底的に補助金を投入しています。また、EUも人口密度に基づいた人口希薄地域を選定し、該当する地域に支援をおこなっています。 現地で大森さんの取り組みを取材した堀は、改めて「(大森さんが取り組んでいる芝居小屋をきっかけに、その地域で)お買い物をして、芝居を観てみんなで集まる。そういった回遊性に期待したい」と話していました。