飛ばし屋プロの共通点! 「ワイドなテークバック」をマネするコツは?【ゴルフメカニクス研究所 #3】
必要なのは体幹の「分離」能力
この動作が困難な場合、柔軟性や筋力の問題だけではなく、「分離」の能力に問題がある可能性があります。例えばバックスウィング時に顔の向きが大きく変わってしまう場合、頭部と体幹を分離して動かせないことが原因かもしれません。その場合、具体的にどこに問題があるかは、以下の二つのテストを行うことで確認できます。 画像Cの動作テストでは、上半身を頭部(と骨盤)から分離して動かすことができるかが確認できます。この動作に問題がある場合、バックスウィングの際に顔の向きが変わる、あるいは骨盤の向きも一緒に変わってしまうということが起きます。
また画像Dのテストでは、上半身を固定した状態で骨盤を動かすことで、下半身が体幹と分離して動かせるかを確認しています。この動作に問題がある例としては、骨盤がその場で回旋するのではなく、骨盤が左右に動いてしまうといったことが起きます。 これら2つの動作が問題なくできるのであれば、体幹部分を独立して動かすこともできるはずです。これらが不自由な場合は、ほとんどは柔軟性の問題ではなく動作の感覚の問題です。ピアノも練習をすれば左右の手や指を別々に動かすことができるようになると思いますが、上手く弾けないのは手や指の柔軟性がないからではありません。つまりある程度訓練で上達させることができます。 この体幹の分離能力が高いほど、画像Aのプロのように「ワイドなバックスウィング」にしていくことが容易になります。とはいえこうした動作は日常生活ではほぼ発生しない動作であるため、一般的には練習が必要になるというわけです。 しかしバックスウィングがワイドになっていくことで、上半身の捻転が深くなるだけではなく、トップのヘッドの位置もボールから遠くにできるため、助走距離を長くすることもでき、飛距離アップには絶対的に有利です。 できる人は画像B(両腕を伸ばしっぱなし、コックも入れない状態)の素振りを、またそれが困難な方は画像Cや画像Dの動作を行なっていくことで慣れていくことができます。そのとき体幹が捻られることで、腹部やわき腹などの筋肉にかなりのトレーニングになることも実感できるはずです。この冬試してみてはいかがでしょうか?
大庭可南太
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