松本人志、係争中のテレビ復帰「現実的には難しい」 裁判の行方見守る各局のスタンス変わらず…放送関係者が指摘
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(60)が自身の性的暴行疑惑を報じた「週刊文春」に名誉を毀損(きそん)されたとして、発行元の文芸春秋などに、5億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で開かれた。松本は出廷しなかった。文春側は「複数の女性が受けた同意のない性的行為は真実」と請求棄却を求めた。閉廷後、原告の松本側と被告の文春側の弁護士が取材に応じ、「記事化した女性2人の氏名などの特定」を巡り真っ向から対立した。 * * * 松本は1月に芸能活動を休止し、レギュラー番組の出演見合わせが続く。係争中のテレビ復帰の可能性について、放送関係者は「現実的に難しいのでは」と指摘する。 日本民間放送連盟(民放連)が定めた放送基準では「国の機関が審理している問題については慎重に取り扱い、係争中の問題はその審理を妨げないように注意する」と明記されている。民事訴訟で双方の主張が対立している場合、審理は長期化する傾向があるため、係争の間は各局とも「裁判の行方を見守る」というスタンスを取ることに変わりはないようだ。 また、旧ジャニーズ事務所の性加害問題を端緒にテレビ各局では人権に対する考え方がさらに根づき、昨年末から今年にかけて人権尊重についての局ごとのガイドラインを新たに定めたばかり。今回の民事訴訟は性的行為強要が争点のひとつであり、別の関係者は「判決が出るまでは、人権の観点からも起用は厳しいのでは」と話す。 芸能関係者は「視聴者から賛否の“否”が寄せられる人をテレビ局は使えない」と話しており、松本側の意向にかかわらずテレビ出演は当面困難とみられる。テレビ以外に活路を見いだせば、外資系の配信サービスやYouTube、トークライブなどでの活動の可能性も考えられそうだ。
報知新聞社