広島市西区の市道陥没1週間、40人余り避難生活 半径50メートル立ち入り規制 上下水道の復旧急ぐ
広島市西区福島町での市道陥没事故は、3日で発生1週間となった。周辺への立ち入り規制は続き、40人余りの住民が避難生活を余儀なくされている。市は発注した雨水管の整備工事を事故の原因と認め、周辺の建物の危険度判定調査や上下水道の復旧を急いでいる。 【写真】広島市西区の市道陥没現場、現在の状況
■事故の概要
9月26日午前8時40分ごろに発生。雨水管を整備するため、市から受注した清水建設(東京)と日本国土開発(同)、広成建設(広島市東区)の共同企業体(JV)が地下約30メートルを大型掘削機で掘っていたところ、異常に水が出て地盤が沈下し、道路が陥没した。 陥没は東西約40メートル、南北約30メートルにわたり、深さは最大約2メートル。上水管が破断し、路上に水があふれた。ひび割れや傾きなど少なくとも11棟に被害が出ているが、市はまだ周辺の建物で危険度判定調査を進めており、全容は分かっていない。
■住民などへの影響
市は現場から半径50メートルを立ち入り規制している。避難所となった観音小と観音公民館には27日朝の時点で27世帯53人が身を寄せた。2日時点で公民館に4世帯6人が、2次避難先のホテルなどに20世帯38人がいる。断水は16戸で続いている。 規制エリア内にある福山通運(広島県福山市)の広島主管支店は閉鎖状態。同社によると、建物は傾きなどが見られるが、中に入れず詳しい状況は不明。従業員は市内の3拠点に分散して業務に当たっており、集配に大きな遅れはないという。
■今後の見通し
陥没した道路の埋め戻しは28日に終わった。下水管は損傷の調査と復旧を並行して進めている。断水について市水道局は「危険度判定調査で安全が確認され、自宅に戻れるところから順次解消させる」とする。 松井一実市長は雨水管工事と事故の因果関係が「間違いなくある」とし、被害者に補償する意向。市は業者と原因を究明し、負担割合を協議する。経過や今後の対応について、近く地元に説明する場を設ける方向だ。
中国新聞社