<大阪北部地震から1年>被害が大きかった高槻市 地元消防の思い
新しい119番通報システム「コールトリアージ」
また、原田課長は「昨年は地震があって、台風もあって、約半年くらい災害対策本部が設置されたままの状態でした。ただ、どのように効率よく情報を管理して、地震や台風に備えるか。そこを何とかせなあかんと思ってました。効率よくこなしていくにはどうしたらいいか、救急車も13台しか出動できませんから。通報があった救急事案に対してすべて出てしまうと、すぐに救急車がなくなってしまう」と話す。 この問題を解決すべく運用を始めたのが「コールトリアージ」だ。昨年11月から計画し、今年5月にドクターの監修も受けてスタートした。コールトリアージは119番が集中した際、消防が通報内容から緊急度を判断し出動態勢を決める新しい119番通報システムだ。 緊急性のない救急要請が増えたことを受けて、横浜市消防局が2008年に初めて導入したもので、限られた人員で重症者がいる現場に効率的に出動できるので期待が高まっている。
「消防の戦力にも限りがあります」
「消防の戦力にも限りがあります。消防本部と市民の方々の共助が大切です。我々は発生と同時に動きますが、ワンクッションを置いてボランティア活動も、助かりますね」と原田課長。 松村次長は、「今回の地震を踏まえて、消防がすべて安心安全でやっていくのが大前提ではありますけど、市民の皆さんにも防災訓練に参加していただきたい」と訴えた。 また「南海トラフ地震などに備えて消防力をどう高めていくか。もてる消防力を活かし、災害対策本部があたりますし、今後も訓練を継続してやっていきます。教訓を若い世代にも伝え、それによって100%の力が出せるようにしたい」と、力強く語っていた。 (文責/フリーライター・北代靖典)