連節バスが走る少し未来の名古屋 名鉄社長が描く「歩いて楽しい街」
名古屋鉄道の高崎裕樹社長が朝日新聞の取材に応じ、名古屋市が2025年度にも導入しようとしている都心部の新たな路面公共交通システム(SRT)の活用が、街を盛り上げる新たな起爆剤になるとの考えを明らかにした。「街の楽しさを演出するのは都心の地上交通だ」と語り、SRTを運行する事業者として参画していく方針だ。 【写真】新たな路面公共交通システム「SRT」の車両と乗降場のイメージ=名古屋市提供 名古屋市が導入しようとしているSRTは、名古屋駅地区と栄地区を結ぶ新たな公共交通システム。「Smart」「Roadway」「Transit」の略称で、複数の車両が連なる欧州の連節車両も参考に、ゆったりとした車内が特徴の連節バスを走らせる。停車帯などを使った専用の乗降場も9カ所ほどもうける。回遊性に課題があるとされる名古屋の2大商業地をつなぐことで、買い物や観光を楽しみやすくすることを狙っており、グループの名鉄バスが事業者として運行管理などを担う予定という。 市は26年のアジア・アジアパラ競技大会の名古屋開催までに、名古屋駅地区と名古屋城周辺、栄地区などを走る「周回ルート」の一部実現も目指している。 高崎氏は取材に対し、街の魅力を高めるためには、「歩いて楽しい街にならないといけない」と強調。そのためには、「都心の公共交通をもっと充実させないといけない。名古屋市が色々と検討しており、事業者として参画していく」とSRTの導入に期待感を示した。
朝日新聞社