「車重がふっと消えたような強力な加速Gが体をつつむ」by 斎藤聡 これがジャガーIペイス RダイナミックHSEに乗ったモータージャーナリストの本音だ!!
スポーツカーも真っ青の走りが魅力!
今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 2018年の導入以来、初のマイナーチェンジを受けたジャガーIペイス RダイナミックHSEに乗った飯田裕子さん、菰田潔さん、斎藤聡さんの本音やいかに? 【写真9枚】EVになってもジャガーはジャガー! ジーナリストが絶賛するIペイス RダイナミックHSEの詳細画像はこちら ◆「下手なスポーツカーも真っ青の身のこなし」飯田裕子 歴史ある自動車メーカーとしてBEVのIペイスをいち早く市場投入(2018年)したジャガー。 空力性能を追求した軽量&高剛性ボディ、見た目は流麗とはいえ大型のSUVという想像を裏切るハンドリング、BEVらしいクリアな加速とレスポンス、加速とシンクロして聞こえるアクティブ・サウンド・デザインの感性と官能品質の追求ぶり、そして最大696Nmの大トルクなどなど……少しオーバーに言えば、スポーツカーのFタイプが脳裏に浮かんだ。 走行中はすっと格納されるドア・ハンドルや、独創的なインフォテインメント・システム、OTAといった要素も、ジャガーが新たなステージへと進んだと深く印象づけるものだった。 そんなIペイスが2023年秋にマイナーチェンジを実施。以前はエンジン車風だったグリルをシールド・タイプとし、よりわかりやすいエレクトリックなスポーティ・モデルへと生まれ変わった。同乗されたEPC会員の方ともその下手なスポーツカーも真っ青の身のこなしを共有。楽しかったです。 ◆「穏やかな走りは変わらない」菰田潔 一緒に乗ったEPC会員さんは、クルマに乗り込んでから走り出すまでの過程で「区切りが欲しい」と言った。きっとスターターを回してエンジンが掛かってからギヤを入れて走り出すという手順が身についているから、BEVのIペイスでは助手席でも走り出すときの心構えをしにくいのかもしれない。 Iペイスではダッシュボード中央右のボタンを押し、その下のD、N、Rボタンでギアを選んでアクセレレーターを踏めば発進できる。「VW ID.4などはスタート・ストップ・ボタンもないからいきなりDに入れて走るんですよ」と話をした。筆者はどちらかというと新しもの好きなので、今までと手順が違うことを楽しむ方だがそうでない人も多そうだ。これからBEVが増えていくときにそういったお客さんにも違和感なく運転できるBEVも必要かもしれない。 マイナーチェンジしたIペイスはジャガーらしい穏やかな走り味に変わりはなかった。0-100km/h加速は4.8秒と俊足なのに、アクセレレーターの操作には穏やかに反応するから扱いやすい。猫足はコーナリングも乗り心地も良いから乗れば元気になれる。 ◆「ワクワクが止まらない」斎藤聡 Iペイスに乗って走り出し、この日何度目か往復する西湘バイパスを淡々と走りながら、かつて都内から白馬までドライブしたことを思い出した。すこぶる快適でストレスのないドライブだった。加減速は足先の動き一つで自由自在。深くアクセレレーターを踏み込めば超絶強力な加速性能を見せてくれるし、微細なスピード・コントロールも思いのまま。東京→白馬、300km弱ある行程を無充電で行けてしまう足の長さまである。 それにしても上質な乗り味だ。本来ドタンバタンと路面の継ぎ目がうるさい西湘バイパスの不快なショックを見事にいなしており、穏やかな気分になってくる。それでいて退屈しないのはどういうことなのだろう。 きつい上り坂のワインディング・ロードに入り、アクセレレーターを深めに踏み込む。その瞬間、車重がふっと消えたように強力な加速Gが体を包む。カーブではバッテリーをフロアに積む重心の低さがしなやかなサスペンションを抑え込むような安定性を見せてくれる。先ほどまで穏やかだったIペイスはEVスポーツの貌を見せる。楽しい。そしてワクワクが止まらない。 写真=小林俊樹(メイン)/茂呂幸正(サブ) (ENGINE2024年4月号)
ENGINE編集部
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