武田玲奈、現場を引っ張る吉田鋼太郎に助けられた言動「実際の家族のような結束があります」…映画「おいハンサム!」
女優の武田玲奈(26)が「おいハンサム!」(山口雅俊監督、21日公開)で3姉妹の三女・美香役を好演している。2022年に吉田鋼太郎(65)主演の深夜ドラマとしてスタート。恋愛、グルメの要素もある、ゆる~い雰囲気が魅力のホームコメディーで、映画では新たな風が吹く。武田は「まさか映画化されるとは…。何も考えず、肩肘張らず、感じるままに見てもらえたら」とアピールした。(有野 博幸) 深夜ドラマからジワジワと話題を集めて映画化された異色作。独特の空気感がクセになる。武田は「シーズン1(22年1月期)から『面白かったよ』と言っていただく機会が多くて、うれしかった。でも、ホームドラマですからね。映画化するとは思いませんでした」と信じられない様子。出演者が堂々と「まさかの映画化!」とイジる親しみやすさが作品の魅力だ。 演じた伊藤美香は父・源太郎(吉田)、母・千鶴(MEGUMI)の三女。食品会社に勤務する会社員。漫画家として軌道に乗り出した恋人のユウジ(須藤蓮)と半同棲中だ。ユウジとは取っ組み合いのけんかをする場面も。「低いテンションのまま『ごめん!』と言いながら、殴ったり、蹴ったり。踊りのように回ったり。アクション部の方が細かく指示してくれました」 ゆる~い雰囲気は映画でも変わらない。「映画だからと言って、大事件が起きるわけじゃない。ただ、ドラマを支持してくれたファンの方々なら絶対に楽しめるし、映画ならではの新しい風が吹きます」。美香はイサオ(野村周平)やスグル(内藤秀一郎)から猛烈なアプローチを受ける。恋の行方が大きな見どころの一つになる。 「美香は流されやすいところがあるので、イサオに言い寄られてどうなるのか、温かく見守ってほしい」。演じる上で「あの両親の娘だから、一見すると頼りなさそうに見えるけど、芯がしっかりしている。あの子は伊藤家の娘」と意識した。 姉の長女・由香(木南晴夏)、次女・里香(佐久間由衣)との関係はベタベタせず、サバサバとした絶妙な距離感が面白い。「私自身は一人っ子なので、お姉ちゃんができてうれしいです。お母さんが3姉妹の末っ子なので、お母さんをイメージしながら演じています」。家族がそろう食事のシーンが多く「現場で実際にご飯を食べています。お客さんも、映画を見たら、おなかがすくと思いますよ」。武田がオムライスを調理する場面にも注目だ。 撮影現場を引っ張る主演の吉田に助けられた。「鋼太郎さんは一番、セリフが多いし、直前の変更もあるのに本番は完璧にこなす。現場の士気を高める言葉もサラッと言ってくれる」。突然の設定変更など、監督からの無理難題にも「鋼太郎さんを中心に、みんなで乗り越えたから、絆が生まれた。実際の家族のような結束があります」。 13年に芸能界入りして10年の節目を迎えた。「目の前の仕事をきっちり頑張って、積み重ねてきたので、まだ手応えはないですね」。福島県で生まれ、幼い頃はファッション誌のモデルに憧れた。「東京には出ていきたいと思っていましたが、将来は普通の会社員になるつもりでした。なかなか芸能界は現実的な夢とは思えなかったですね」。大好きなアニメや漫画に触れることが幸せだった。 転機になったのは、15年公開の映画「暗殺教室」で女優デビューしたこと。「原作漫画の『暗殺教室』が大好きだったので、その世界に自分が入ることができて感動しました。現場の雰囲気も気に入って、もっともっとお芝居をやりたいと思うようになりました」。試行錯誤しながらキャリアを重ね、「毎回、(役柄で)違う人生を生きられるのが女優の醍醐(だいご)味。いつも新しい発見があるので、それが刺激になっています」。 将来的には「どんな作品にもなじむ女優になることが目標。作品によって、全然違う表情を見せていきたい。武田玲奈というより、役柄で印象に残る女優が理想ですね」。主演にも特にこだわりはなく、「きれいな美人さんの役じゃなくてもいい。体を動かすのが好きなので、アクション系の役柄にも興味があります。医者の役もやってみたい。お笑いのセンスはなさそうなので、コメディーは今後の課題ですね」。 マイペースで落ち着いた性格だ。「時間の使い方が下手なので、出かける時とか、いつもバタバタと慌てていますね。お仕事には誠実に向き合っていますけど、野望はないですね。あの人に負けたくないとか、熱くなることもありません」。健康管理には気を配り「ジムでのトレーニング、ピラティスは定期的にやっています。お酒は好きで、仕事終わりのビールは幸せな瞬間です」。今後もマイペースに、一歩ずつ着実に女優の道を歩んでいく。 ◆「おいハンサム!」 22年1月期と24年4月期にフジテレビ系で放送された人気ドラマの劇場版。吉田鋼太郎が伊藤家の父・源太郎を演じ、母・千鶴役をMEGUMI、3姉妹の長女・由香役を木南晴夏、次女・里香役を佐久間由衣、三女・美香役を武田玲奈。映画から野村周平、宮世琉弥が登場する。食べて、恋して、人は生きている…。幸せを求めて疾走する伊藤家が、予測不能な災難に立ち向かうホームコメディーだ。119分。 ◆武田 玲奈(たけだ・れな)1997年7月27日、福島県生まれ。26歳。2013年「第2のくみっきー!発掘オーディション」でグランプリを受賞し、14年からファッション誌「Popteen」のレギュラーモデルに。15年の映画「暗殺教室」で女優デビュー。18年のドラマ「人狼ゲーム ロストエデン」で初単独主演。7月16日スタートのテレビ朝日系ドラマ「南くんが恋人!?」に出演する。身長164センチ。血液型B。
報知新聞社