18日の法要で焼香を行う豊田会長

　トヨタ自動車の豊田章男会長や佐藤恒治社長らが17～18日、長野県茅野市の蓼科山聖光寺で開催された「夏季大祭」に参加し、交通安全を祈願した。トヨタの幹部をはじめ、トヨタグループ各社の社長、仕入れ先や販売店の代表者、地元関係者ら約１３０人が参加した。18日は法要が営まれ、参加者も順に焼香を行った。 　法要後には豊田会長が取材に応じ、「建立して50年の間に交通事故死者が着実に減ってきた。しかし、足元ではやや事故死者が増えている。安全はインフラ、利用者、車の三位一体でつくるもの。さらに交通安全を目指す」と話した。 　また、昨年まで参加者を広く受け入れたのに比べ、今年は参加者をトヨタグループなどに限った。豊田会長は「一度原点に戻り、交通安全に対し何ができるのか確認する機会にしたい」と説明した。 　聖光寺は、１９７０年にトヨタグループが建立した。当時は国内のモータリゼーションが急速に進展する中で、交通事故死者の増加が深刻な社会問題になっていた。同寺は交通事故の犠牲者を慰霊し、交通安全と事故ゼロを祈念する目的で建てられた。

　交通安全の祈願は、トヨタ自動車販売（現トヨタ自動車）と全国の販売店で始まった。当時のトヨタ自販社長だった神谷正太郎氏が同寺の建立を発願したためだ。その後82年の工販合併を機に、参加者がグループ各社や仕入れ先などにも広がった。