メッサーリCEO、ツイートが原因で退任

ライアン・セルキス（Ryan Selkis）氏は、共同創業した暗号資産データ・リサーチ会社メッサーリ（Messari）のCEOを辞任した。理由は、政治、内戦、移民政策について、扇動的なツイートを行ったことだ。 同氏は20日、今週物議を醸したメッセージを大量に投稿したソーシャルメディアプラットフォームのXで退任を発表した。 「今週は、私の政治観や発言によってチームが危機的状況に陥った6年半で初めての週だった」と同氏は記し、「そのため、CEOを退くことにした」と述べた。 A leader's first responsibility is to his team. This week was the first week in 6.5 years that my politics and rhetoric put the team in harms way. As such, I have decided to step aside as CEO. My friend, colleague, and founding teammate @ericturnr will be taking the helm. pic.twitter.com/6icM6efMUu ― Ryan Selkis (d/acc) 🇺🇸 (@twobitidiot) July 19, 2024 セルキス氏がXで侮辱的な発言をすることは珍しいことではなく、先週末のトランプ氏暗殺未遂事件の後、同氏は投稿をさらにエスカレートさせた。銃撃事件当日の午後、同氏はXに「この時点でトランプ氏に反対票を投じた者は、火に焼かれて死ねばいい。文字通りの戦争だ」と投稿した。 また、移民に対しては「あなたを祖国へ送り返すことを望む。… あなたには市民権を得る権利はない。そのままであってほしい」と述べた。 20日、セルキス氏は退任を発表し、トランプ氏の暗殺未遂事件を受けて、「事件後の真相究明を迫るメディアと政権の惨憺たる失敗、そしてそもそも事件を引き起こした分断的なレトリックを鎮めることができなかったことに嫌気がさした」と述べた。 メッサーリの創業に加え、セルキス氏は今年、米国の暗号資産業界における政治資金調達の基盤づくりに大きく貢献した。同氏はCoinDeskの元CEO。10年前、独立系ブロガーとして、後に破綻した暗号資産取引所マウントゴックスの支払不能を明らかにする文書を公開した。 メッサーリは20日、最高収益責任者（CRO）のエリック・ターナー（Eric Turner）氏が暫定CEOを務めると発表した。 「ライアンは先頃、メッサーリのCEOとしての業務から身を引くことを決断したと我々に知らせてくれた。彼は暗号資産政策と彼にとって重要な国の問題に専念できる」と同社はXに投稿した。 Ryan recently let us know of his decision to step back from an operational role as the CEO of Messari so that he can focus his time fully on crypto policy and national issues of importance to him. Messari would not be the company it is today, or what it will be in the future,… ― Messari (@MessariCrypto) July 19, 2024 セルキス氏は退任後すぐ、自身にとって重要な「国の問題」について再びツイートした。 「@JoeBidenをまたやっつけた」 ｜翻訳・編集：CoinDesk JAPAN編集部｜画像：ライアン・セルキス氏（Suzanne Cordiero/Shutterstock for CoinDesk's Consensus）｜原文：Ryan Selkis Quits as Messari CEO Following Inflammatory Tweets