日本一・楽天がホームで開幕を迎えられない理由とは…!?
さらに、2011年になぜ「前々年度(2年前)の上位3チームが主催権を持つ」決定基準が変更になったかというと、皆さんの記憶にも新しいであろう「東日本大震災」の影響がある。震災によって日程が再調整された結果、当初の3月25日から4月12日開幕に変更。それに伴いセ・リーグは巨人、阪神、横浜、パ・リーグは日本ハム、ロッテ、オリックスがそれぞれ開幕主催権を得た。 震災によって変則的な開幕カードとなった2011年。そこで採用されるはずだった「2009年度の上位3チーム」の開幕主催権はどこへ行ったかというと、セとパによってそれぞれ対応が異なっている。セ・リーグは翌2012年を慣例通り「2010年度の上位順位球団の主催」で開幕を迎えたが、一方のパ・リーグは本来2011年に開幕を主催すべきであった「2009年度の上位順位球団」がそのままスライドして開幕を主催。これには、被災した東北の地に本拠を置く楽天の影響も見え隠れする。 楽天は2009年度にチーム創設初となるAクラス2位を達成。通常の流れで行けば、2011年に開幕をホームで迎える予定だったところに震災が起きてしまった。それにより、夢にまで見た「Aクラス入り→ホームでシーズン開幕」という流れが消えかけたかに思われた。しかし、2012年に「2009年度の上位3チーム」で開幕を主催する決定がなされたことで、楽天がホームで開幕を迎えることが可能に。まさに、東北復興への足掛かりに繋がる変更だったようだ。 それ以降は、セ・リーグが「前々年度(2年前)の上位3チームが主催権を持つ」、パ・リーグが「3年前の上位3チームが主催権を持つ」決定方法が慣例となっている。それに伴い、今年の開幕カードは表3のチームがそれぞれ主催権を持つことに。以上がプロ野球の開幕主催権を持つチームの決め方である。開幕主催権獲得の裏側に隠された物語を知ることで、また開幕を待つ楽しみが増えたのではないだろうか。 (NHC)