雑誌不況の中、あのファッション誌が売れるワケ
■紙媒体が不況の中 好調をキープ インターネットや携帯電話の普及により、雑誌をはじめとした紙媒体が苦戦を強いられている。社団法人日本雑誌協会が公表している各雑誌の印刷証明付きの部数データを見ても厳しい状況に置かれているのは間違いないが、そんな中で刊行以来、部数を伸ばし続け、不況の現在でも好調をキープし続けているのがファッション誌の「ニコラ」だ(発行部数21万部、競合の女性ティーン誌は10万部前後)。 ■能年や川口春奈など層々たる顔ぶれの出身モデル 新潮社が発刊している同誌は、女子小中学生をターゲットにしたローティーン向けファッション誌。最近では、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で大ブレークした女優の能年玲奈や、TBS系ドラマ「夫のカノジョ」で主演を務めている川口春奈が、「ニコラ」モデルを務めていたことでも話題になっている。 ほかにも、同誌のモデル出身者には栗山千明や沢尻エリカ、蒼井優、新垣結衣など同性から支持の高い層々たる女優たちが顔を揃えており、ファッション誌としての完成度も高い。 若者の“紙離れ”が叫ばれる昨今。インターネットがより身近な存在であるはずのローティーンをメインターゲットに据えている同誌が部数を堅持している背景には、こうした要因とは別の昨今の芸能界のトレンドと密接な関係があるようだ。 ■ニコラを読む世代はローティーンだけじゃない 芸能評論家の三杉武氏はこう分析する。 「最近の芸能界は“子役ブーム”。芦田愛菜ちゃんや加藤清史郎くん、鈴木福くん、本田聖望ちゃんなど現役の子役が活躍していると同時に、宮崎あおいさんや井上真央さん、『AKB48』の大島優子さんなど元子役の活躍も目立ちます。そうした中、“ジュニア・ファッションブーム”を牽引し、卒業モデルが女優として輝かしい転向を遂げている『ニコラ』は小中学生だけでなく、子供を芸能界でデビューさせたいと思っているママ世代にも“参考書”として愛読されているようです」