被災児童生徒のメッセージを歌に 佐賀の作曲家、奥能登で募る
能登半島地震や奥能登豪雨で被災した奥能登4市町の児童生徒のメッセージを集め、合唱曲を作る取り組みが進められている。佐賀県を拠点とする作曲家の弓削田(ゆげた)健介さん(41)が小中学校5校を巡ってコンサートを行い、約300人のメッセージを集めた。曲は12月に教員向けの雑誌上で発表する予定で、弓削田さんは「全国で歌われるような曲に仕上げたい」と意気込む。 弓削田さんは、8月10日に珠洲市宝立町鵜飼の見付海岸で行われた震災犠牲者の追悼イベント「花火 いのちの輝き」(北國新聞社後援)を現地で見て、感銘を受けて今回の企画を思い立った。 弓削田さんは珠洲市宝立小中、穴水町穴水小、能登町松波小、輪島市河井小、同市門前中でコンサートを開催し、児童生徒からメッセージを募った。河井小では市中心部6校の児童が参加し、全体で300件を超えるメッセージが集まった。 曲のテーマは「花火」とし、子どもたちは花火にまつわる思い出や未来への希望、震災、豪雨への思いなどを込めたコメントを寄せた。 メッセージは「フェニックスみたいにがんばるね」、「何度だってしぶとく復興します」など、子どもたちのふるさとへの思いがこもっている。弓削田さんは「子どもたちから受け取った声を、全国で歌い継がれる曲にしたい」と力を込めた。 今後はメッセージを元に作詞し、曲を作る。できた曲は12月中旬に発行される音楽教諭向けの雑誌に掲載し、全国で歌ってもらう考えだ。