森永卓郎さんが語るがん治療薬オプジーボを使う理由とメリット・デメリット「効いているかはわからないが、前向きな気持ちになって免疫力が上がった気がする」
痛い、苦しいというのは一切ない
オプジーボは承認当初、年間で3000万円を超えるほどの薬価がかかっていたが、現在では80%以上下落したと報じられる。 「製薬会社は反発しているようですが、最初は開発経費が上乗せされてバカみたいに高かった。適正価格になってきたと思います」 安価になったことで、投与患者数も年々増加。一方、従来の抗がん剤よりは比較的少ないとはいえ、オプジーボにも吐き気や倦怠感などの副作用が報告されている。しかし、森永さんにはいまのところ副作用は出ていない。一見すると、非常に“画期的な薬”のように思えるが、森永さんはこう指摘する。 「痛い、苦しいというのは一切ありません。それは、従来の抗がん剤とはえらい違いです。ただし、デメリットもあります。効いているかどうかがさっぱりわからないんです。悪化しているわけではないから効いているんだとは思いますが、普通は3か月くらいで効果が落ちてくるらしいのでレアケースのようです。でもこれはあくまで私の場合で、ほかの人の効果についてはまったく保証できない。人によって効くか効かないかは、まったく違いますから、“オプジーボを打てばがんが治る”というのは、私は嘘だと思う」
免疫力が上がった気がする
森永さんは、「唯一感じる効果」として、免疫力の高まりを挙げる。 「効いているかどうかわからないと言いましたが、医療界では“画期的で、すごく効く薬”とされている。だから、その言葉を信じると前向きな気持ちになって免疫力が上がった気がします。つまり、オプジーボを打つということは、神に祈るとか、がんに効く温泉水を飲むとかとそんなに違わないかな。 だからこそ私は、オプジーボは一般的に誰でも彼でもやっていいかというと、そうではないと思います。安易にオプジーボに頼る必要はない。ほかのがん治療薬と同じで、毒にも薬にもなりますから。ほかに方法がない人のための薬なんです」
毎月120万円で延命している
免疫チェックポイント阻害薬は、オプジーボを皮切りに現在では8つの薬が承認されている。 「なぜオプジーボかと聞かれることもありますが、都心以外に住んでいるとオプジーボ以外の選択肢はありません。私は埼玉の都会のような田舎のような“トカイナカ”に住んでいますが、それでもオプジーボを打つというだけで大騒ぎになりました。 さらに地方に行けば、それさえ打つ選択肢もないかもしれない。そうした医療格差はありますね」 転移がない限り、森永さんは現状の治療を続けるという。 「とりあえずいまは、よくも悪くもなっていませんから、毎月120万円かけてなんとか延命しているという状況です。でも、転移してしまえば、抗がん剤を含めた新しい治療法を考えなければいけません。それが私に合うかはイチかバチかの賭けのようなもの。 転移してしまえば、1か月足らずで死んでしまうかもしれない。だからもう毎日必死で生きて、やり残したことを全部やる。まだオファーをもらった本で仕上がっていないのが13冊も残っているので、ひとまず年内にそれをしっかり仕上げます」 刊行予定の本について、「誰も言えなかったメディアの闇を全部書きますよ」と意味深に笑った森永さん。その言葉は生気に満ちあふれていた。 ※女性セブン2024年12月19日号
【関連記事】
- がんステージ4の森永卓郎さん“毎日違うヨーグルト”と“脂っこい肉”を積極的に食べる食生活で「いまは絶好調。死ぬ気がしない」 和田秀樹医師も「理に適っています」
- 《モリタク流人生観》がんステージ4の森永卓郎さんの“食べたいものを食べる”生活 食べ放題が叶えてくれる「スプーン1杯分のカレーと焼きそば3本と焼き肉2枚」のわがまま
- 《モリタク流人生観》がんステージ4の森永卓郎さん”ぼくがいま食べているもの” ラーメン、すし、アイス、ケーキ…「好きなものを食えるだけ食って間食もバンバンする」
- がん闘病中の森永卓郎さん、医師からの告知は妻とともに「ずっとペアだった妻を独り立ちさせることが今の目標」
- 《独占告白》堀ちえみ(57)舌がん完治で音楽活動再開 “Re‐Born”の2024年を支えてくれたのは「夫と7人の子供たち」