親イラン戦闘員がシリア入り、政権軍に加勢 ヒズボラは関与せず
[アンマン/ベイルート 2日 ロイター] - シリアのアサド政権軍と反政府勢力の戦闘を巡り、親イラン武装組織が夜間にイラクからシリアに入り、シリア北部で劣勢に立っている政権軍に加勢した。政権軍幹部が明らかにした。イランはシリア内戦中に、ロシアとともに政権軍を支援した。 一方、関係筋によると、イラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラは今のところこれに加わる予定はない。 イラクの治安関係筋は、1日夜に少なくとも300人の戦闘員が国境検問所を回避してシリアに入国したとしている。 これについて、イラクの民兵組織「人民動員隊(PMU)」の司令官は、傘下にあるいかなるグループもシリアに入国していないと表明。同部隊がイラク国外で活動することはないと述べた。 シリア政権軍幹部は「北部前線にいる政権軍の同志への新たな援軍だ」と述べた。 イラクのシーア派主体の民兵組織、人民動員隊の戦闘員数十人もシリアに入った。神の党旅団(カタイブ・ヒズボラ)やファテミユーンも支援に加わっているという。 イランのアラグチ外相は2日、シリア軍には反政府勢力に対応する能力があるとしながらも、イランが支援する民兵組織に言及した上で「イランは必要なあらゆる支援を提供する」と述べた。 地元住民や救助隊員によると、シリア政府軍とロシア軍の戦闘機が2日、シリア北西部の反政府勢力支配地域への攻撃を強化した。避難所も空爆され、7人が死亡したという。 シリアにはトルコも軍事拠点を設置。イランのアラグチ外相は2日、トルコのフィダン外相と会談し、シリア情勢について協議した。 シリア政府は、反政府勢力が制圧した北部要衝アレッポ郊外にある反政府勢力の支配地をシリアとロシアの空軍が攻撃していると述べた。 また、シリア政府はここ数日で反政府勢力の戦闘員数百人を殺害したと発表した。ロイターはこれを独自に確認できなかった。