雨にも負けず水防学ぶ 飯田市消防団が出水期前に訓練【長野県】
飯田市消防団(坂巻剛弘団長)は2日、長野県飯田市川路の天竜川河川敷で本年度の水防訓練を行った。18分団から班長以上の団員約250人が参加し、水害の発生に備えて技術や知識、心構えを習得。機動救助隊による救助資機材を用いた訓練も実施した。 水害発生時に有効で的確な水防活動が行えるよう、出水期を前に毎年行っている訓練。この日は開始直後から雨が降る悪天候の中での実施になったが、団員たちは実際の出動時さながらにかっぱを着て訓練に取り組んだ。 飯田広域消防や県飯田建設事務所の職員らを講師に招き、積土のうやビニールシート張り、ロープを結ぶ結索など水防工法の技術を学習。多機能型積載車の装備品の取り扱いも教わった。 災害時に救助と救急、退避誘導を行う機動救助隊25人も同会場で訓練を実施。地震で倒壊した建物などを切断するエンジンカッターの講習では鉄パイプを実際に切って体験した他、安全な取り扱い方や刃の当て方などについて説明を受けながら慎重に操作していた。 訓練前の訓示で坂巻団長は「消防団はゲリラ豪雨や自然災害への対応についても期待されている。訓練で技術を習得し、各分団に持ち帰ってほしい」と呼び掛けた。天竜川上流河川事務所の菊池五輪彦副所長は「出動機会がないことが一番だが、近年は予想がつかない雨が降ることがある。万が一の時に今日の訓練を生かしてほしい」と期待した。