<山下大輝×村瀬歩>切磋琢磨してきた同志 “熱”と“冷”の声の魅力 アニメ「龍族」インタビュー
山下さん 現代とファンタジーをミックスしているような世界観なのかなと思いました。登場するキャラクターも多国籍で、中国人のキャラクターだけではなく、日本の名前のキャラクターもいれば、ヨーロッパ系のキャラクターもいます。龍を倒すという目的の下、さまざまなところから優秀な人材が集められた学院の物語というと、すごく壮大なのですが、学生らしいわちゃわちゃとした雰囲気とのギャップもあったり、そうかと思うと、身近に死があるシビアな世界でもあって。10代、20代前半のキャラクターたちが、命のやり取りをしているところが、「ちょっと恐ろしいな」とも感じました。いろいろな要素があるので、幅広い層が楽しめる世界観作りになっているのだろうなと思いました。
村瀬さん いろいろな登場人物を見ていて、正直な人がすごく多いなと思いました。印象的だったせりふとして、ミンフェイがミンゼイに「クソガキ!」というシーンがあって。ミンゼイは、見た目は小さくて可愛らしいのですが、人を手玉に取るようなこともしているから、確かにクソガキ感があるんですけど、日本であればもう少しマイルドな言い方になるのかなと。そこに文化の違いを感じる部分もありました。自分の生き方とか考え方、学院での振る舞いに関しても、すごく正直な人が多くて、いろいろな人の思惑が分かりやすく交差していくから、見ていてもストレスがたまらないというか。
--物言いがハッキリしている上、会話のテンポも速い印象を受けました。
村瀬さん すごく速いです。最初、アフレコしている時は、他の方の収録を見ながら、アニメとして見たら「速くてついていけないのでは?」と一瞬思ったんですけど、実際に完成した映像を見ると、邦画や外画のしゃべりのペースに近いというか。アニメーションのちょっとゆったりした感じの“聞かせる”しゃべりというよりは、意図を持って話しているやり取りを“見て”理解していくというか。会話のテンポを楽しませる作りになっている。これだけ映像がきれいで、視覚的にいろいろな情報を得られると、このくらいの速度でも伝わるんだなという発見があって、すごく面白いなと思いました。