交流戦でなぜセ・リーグは惨敗したか
プロ野球の交流戦は15日、ヤクルトがロッテに敗れたことで全日程終了を待たずに2010年の.421を下回り、セの史上最低勝率が決定した。パの61勝、セの43勝、3分けで、パの勝ち越しは、6年連続10度目になる。交流戦の優勝は、今日の阪神―日ハム戦の結果で決まるが、上位5位までをパのチームが独占した。なぜ、ここまでのセ、パの差が生まれたのか。 責任の重い交流戦下位のセの3チームを見てみると10位の中日は、打線が全体的に不調でバルデスが初回に5失点した5月31日の日ハム戦に代表されるように投手陣も踏ん張りきれずに7勝10敗、巨人は打線が不安定のまま、7勝11敗、横浜DeNAは4番・筒香の不在期間が響き、投打が噛み合わず、守りにも多くのミスが生まれた。3勝14敗は交流戦史上最低勝率となった。 元阪神、ダイエー(ソフトバンク)、ヤクルトで投げた評論家の池田親興氏は、こんな見方をしている。 「パの投手力が目立った。その背景には、大谷に代表されるようなパのここまでのドラフト戦略の成功とDH制があり、普段から4番打者が一人多いような打線と勝負しているので投手が育つ環境がある。基本的にインサイドをうまく使わないと通用しない。外のボールの出し入れよりもインサイドを球威で攻めるというピッチングがバッテリーを含めて染み付いている。 一方のセは、外の出し入れが中心のピッチングスタイルの投手が多い。横浜DeNAのプロ初先発の砂田でさえ、そういうピッチングをした。しかし、好投手と対戦して鍛えられているパのバッターの質とスイングスピードは違う。そういうバッターに外の出し入れだけのごまかしは効かない。 切れ目のないソフトバンク打線は言うまでもなく、交流戦で本塁打を量産したおかわり君に、日ハムの中田、楽天のペーニャにしても、怖さが出てきた。巨人は、4番・坂本で交流戦を乗り切ろうとしていたが、ロッテ戦のスタメンにイースタンのメンバーを並べなければならなかったという現状がすべてだろう。最後の最後にソフトバンクは、今季出番のなかった新外国人バンデンハークが出てきて、最速154キロのストレートを連発したが、そういう選手層の違いも響いたと思う」