松本人志問題での吉本興業「聞き取り調査」で始まる、”アテンド芸人”を待つ「過酷な現実」
吉本興業が決断した――。 その発表に「さすが」という声と「まずいことになるかも」という戸惑いの声が放送業界で渦巻いている。 【画像】すごい…!松本人志 乱痴気不倫飲み会「衝撃のウマ乗り写真」…! 『ダウンタウン』松本人志の性加害疑惑に対し、所属先の吉本興業が先日、当事者を含む関係者に聞き取り調査をすること、事実確認を進めていることを発表した。 「問題のステージがひとつ上がったというか、大きくなった」 とテレビ番組プロデューサーは深刻に受け止める。 吉本興業の取り組みそのものはいいことで、何ら問題もなく、事実を解明するためには必要な段取りと言える。 問題は取り組みの“結果”だ。 「吉本興業による聞き取り調査の結果、松本さんに不利に働く証言が出てくる可能性もある。もし、そういった事実関係や証言が出たとき、吉本は包み隠さず発表することができるのか。その場合、松本VS吉本という対立構造になる可能性だって出てくる。 裁判を支援することなどできなくなるでしょう。松本に裁判を辞退するように迫るケースだって考えられる。真相解明に“進むも地獄、退くも地獄”。吉本は今、自らの潔い決断で、ギリギリの立場に追い込まれています」(前出・テレビ番組プロデューサー) 聞き取り調査をされる芸人にとっても今回の吉本の聞き取りは地獄で、腹のくくり方が求められることになるという。そう指摘するのはスポーツ紙記者だ。 「松本に忖度して『覚えていない』とか、あいまいな証言をすることもできるが、松本をかばってしまうと、それがブーメランになる可能性もあるわけです。いつ、なんどき、関わった女性が文春に告発するか分からないわけで、その際にLINEの存在などが出てきたら、アウト。自分の立場が悪くなる。 ごまかしたことが、自分の芸人人生の終止符、引退に追い込まれることにつながりかねない。すでに文春砲で名前が取りざたされている『パンクブーブー』の黒瀬純やたむらけんじは、厳しい立場に立たされていると思いますよ」 爆笑問題の太田光は先ごろ、自らがMCを務める番組『サンデー・ジャポン』(TBS系)で 「おおげさに言うと『生きるか死ぬかだよ、お前ら』と、松本に付き合わされた芸人に呼びかけた。その真意は、『脱松本をしろ、するしかない、松本から離れろ』という挑発ですよ」 と前出のスポーツ紙記者が読み解く。 「“自分のことを第一に本当のことを言っちゃえ”、“松本のことを考えすぎるな”ということ。自分自身の中で、“笑いの王”を切り捨てよ、という挑発です。当事者の芸人も、悩ましい立場に追い込まれていると思いますよ。 LINEは消したとしても、女性のスマホには残されている可能性だって高い。見えない過去におびえながら、聞き取りに応じなければならない。黒瀬やたむらけんじ以外にも女性を集めた芸人はいるのか、いないのか。報道の前に、調査結果を発表できるのか。吉本も苦しいと思いますよ」 ここでひと呼吸置き、博多大吉の’15年の発言を引き合いに出したい。 「お笑いコンビ『博多華丸・大吉』の大吉が、松本に女性を用意するように言われた際、松本軍団の全国での悪評が福岡にもとどろいていて、女性が思うように集まらなかった、とイベントで明かしたことがありました。松本が、全国で同様のことをやっていて、そのアテンドに『よしもと住みます芸人』が関わっていたことがあれば、吉本は松本をかばえないでしょう。 自治体とのコラボ業務も多く観光大使になることもある住みます芸人ですから、汚れ仕事をやっていたとしたらアウト。そのあたりまで踏み込んで、吉本には潔白を証明してほしいですね」(同・スポーツ紙記者) 松本の復帰を願う声がある一方で、爆笑太田による「脱松本」の挑発。吉本興業によって聞き取りされる芸人にとっては、首筋の寒い日が続きそうだ――。 取材・文:ワタベワタル 夕刊紙文化部デスク、出版社編集部員、コピーライターなどを経てフリーランスのエンタメライターとして活動。取材対象は、映画、演劇、演芸、音楽など芸能全般。タレント本などのゴーストライターとして覆面執筆もしている
FRIDAYデジタル