【こんな人】中谷潤人「初心に戻れる」必ず行うロス合宿でスイッチオン 将来の生活拠点も視野に
<こんな人> <プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇14日◇東京・有明アリーナ WBA世界バンタム級王者中谷潤人(26=M・T)が2度目の防衛を飾った。同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(30=タイ)に6回2分59秒TKO勝利した。7月に左ボディーストレート一撃で当時の同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)に1回KO勝ちして以来、約3カ月ぶりのリングでも躍動した。 ◇ ◇ ◇ 15歳から米国で武者修行を続けてきた中谷は現在も試合前に1カ月間程度の日程で、必ずロサンゼルス合宿を行う。ルディ・エルナンデス氏、岡辺大介氏の両トレーナーの指導を受けながらスパーリングを重ねて最終調整する。中谷は「初心に戻ることができる場所。(試合への)スイッチが入る」と、3試合に臨んだ今年も100日以上も米国に滞在。同じ興行に出場したWBO世界フライ級王者オラスクアガとも15歳の時に出会ってからの「親友」だ。 現役引退後も米国とのつながりを継続したい気持ちがある。「永住までは考えていないが、ロスに家を持って住みたいなという気持ちがある。今も3分の1以上は米国にいますし、引退しても日本と米国で半々ぐらいで生活したい」と言う。選手生活を終えた後、中谷には指導者、プロモーター、マッチメーカーなどボクシングに関わるさまざまな選択肢がある。「まだ現役なので具体的には考えていないが、米国で何か関わりたい」とイメージを膨らませている。【藤中栄二】 ◆中谷潤人(なかたに・じゅんと)1998年(平10)1月2日生まれ、三重・東員町出身。幼少時代に空手を学び、中学1年から競技を開始。米国で単身渡米し、ルディ・エルナンデス・トレーナーに指導を受けて修行を積みながらアマ14勝2敗。同年4月にプロデビューし、1回TKO勝ち。16年に全日本フライ級新人王、17年に日本同級ユース王座、19年2月に日本同級王座を獲得。20年11月、WBO世界フライ級王座を奪取。23年5月、WBO世界スーパーフライ級王座を獲得し世界2階級制覇。家族は両親と弟龍人マネジャー。身長171センチの左ボクサーファイター。