冷却水って交換するものなの!? 意外と知らないクルマの冬支度!
マイナス15度を下まわるような地域では超重要項目のひとつ
二十四節気のひとつ「大雪」は、「雪がたくさん降る時期」という意味で、2024年は12月7日に「大雪」を迎える。したがって、この時期までにはクルマに関する冬支度も済ませておきたいところで、スタッドレスタイヤへの交換や、オイル交換、バッテリーのチェックなどはお早めに。 【写真】スタッドレス履き替え前に要チェック! スリップサインとは違う意味を持つ「プラットフォーム」とは ただ、そうした冬支度のなかで、忘れられがちなのがラジエターの冷却水=クーラントの交換だ。最近は7年間交換不要のスーパーロングクーラントを採用している新車も増えてきているが、厳冬期に重要なのは、そのクーラントの濃度。 新車購入時、標準仕様のクルマなら、クーラントの濃度は30%が基本。クーラントの主成分は、エチレングリコールやプロピレングリコールで、別名不凍液とも呼ばれているが、濃度30%のクーラントだと、凍結温度は約マイナス15度といったところ。 関東以西の平野部なら、厳冬期でも外気温がマイナス15度を下まわることはまれだが、北海道や東北地方、そのほか、スキー場などがあるエリアでは、最低気温がもっと低いことも珍しくない。 寒冷地仕様として売られた新車は、最初からクーラントの濃度が50%(凍結温度約マイナス35度)に設定されているので安心だが、そうでないクルマでウインターリゾートや里帰りなどで寒冷地に出かけるときは、濃度の濃いクーラントへの交換が必要だ。 北海道などは最低気温がマイナス20度前後になるエリアが珍しくないし、県庁所在地だけ見ても、青森、秋田、岩手、山形、福島、福井、山梨、長野などは、マイナス15度以下を記録したことがあるので、山間部などはもっと寒いはず。関東でも、栃木県の宇都宮ではマイナス14.8度まで下がったことも! こうしたところで、低濃度のクーラントを使用していると、寒さでクーラントが凍結してしまう恐れがある。 液体は凍結すると体積が増えるので、クーラントも凍れば体積が膨張し、ラジエターを破損させたり、ウオータージャケット内で凍結すれば、最悪エンジンブロックにクラックが入ることも! そうしたトラブルを避けるために、まずディーラーや整備工場に行って、クーラントの濃度計でクーラントの濃度を測ってもらうのがベスト。5分もかからないのですぐにチェックしてもらえるはず。 とくに、前回いつクーラントを交換したか覚えていない人や、夏場にクーラントが減っているのに気づき、水を足した人などは、要チェック。濃度が低くなっているクルマや、クーラントが劣化してきているクルマは、迷わず新しいクーラントに交換。 また、クーラントには防錆剤が入っていて、防錆効果も重要な役目。濃度がOKだとしても、経年劣化で防錆性能が落ちてくるので、メーカー指定の交換時期は必ず守るようにしよう。
藤田竜太