大谷翔平が「やっぱ、天才や!」と絶賛した天才打者とは 独走ソフトバンクの中心は171cmの“プロ野球最強打者”
6月の最終カードで3位日ハムを三タテ、貯金を今季最多の28として首位を独走するソフトバンク。快進撃を支えているのは近藤健介外野手(30)だ。 【写真】大谷翔平は若い頃、「あの人を超えないと試合に出られない」と近藤を目標にしていた 「本塁打13本、打率3割5分5厘は現在のパ・リーグトップ(7月1日時点、以下同)。打点も47でリーグ2位に付けており、打撃三冠も視野に入っています。今季は『ボールが飛ばない』と言われている中、傑出した成績です」(スポーツ紙記者) 昨季も本塁打、打点の二冠に加えて打率でもリーグ2位。近年のプロ野球界“最強打者”の称号を手にしつつある。
大谷翔平「僕は近藤さんを超える数字を残さないと…」
横浜高校卒業後、12年に日本ハムに入団し、4年目の15年に打率でリーグ3位となる3割2分6厘、8本塁打、60打点の好成績をマーク。この年、打撃不振に陥った当時のチームメイトで後輩の大谷翔平(現ドジャース)の代わりに指名打者として出場することが多く、大谷からは、 「僕は近藤さんを超える数字を残さないと指名打者としてレギュラーで出られないんです」 と、目標に掲げられた。 ストイックさでも大谷に負けていない。 「試合後の居残り練習でティー打撃中、トスを上げる先輩スタッフとタイミングが合わず『遊びでやってるんじゃないんですよ!』と怒鳴りつけることもあった」(日ハム関係者)
22年オフにソフトバンクに移籍。昨年のWBCでは二番打者として活躍した。一次ラウンドの韓国戦で本塁打を放った際には大谷が、 「やっぱ、天才や!」 と絶賛したという。 「世界大会を経験して開眼したのか、昨季から長打が多くなった印象です。日本代表ですぐ後ろの三番を打っていた大谷の長打力に触発され、“進化”したのかもしれません」(スポーツ紙デスク)
「いまのソフトバンク打線は“近藤頼み”。欠けてしまえば…」
一方で懸念されるのが怪我の多さだ。 「17年には椎間板ヘルニアで手術を受け、22年には右内腹斜筋の肉離れで約1カ月半にわたり離脱した。最も懸念されるのは両ひざの故障。若手時代から抱えている古傷で、昨年7月末の試合で守備時に右ひざを痛めて満足に走れなくなった。近藤が抱える爆弾と言っていい」(同前) 首位独走中のソフトバンクだが、チームの柱だった柳田悠岐は右太もも裏の肉離れで長期離脱中、四番の山川穂高は本塁打数こそリーグ2位だが打率2割2分台と低迷している。 「つまり、いまのソフトバンク打線は“近藤頼み”。欠けてしまえば一気に失速の可能性もある」(同前) 大谷も認めた天才はチームを4年ぶりのリーグ優勝に導けるか。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年7月11日号