隆の勝“貴景勝効果”で3連勝!元大関の金言胸に快進撃「怖がらないで足だけ出そうと」
◇大相撲九州場所3日目(2024年11月12日 福岡国際センター) 平幕の隆の勝は翔猿を押し出して3連勝とした。先場所引退した同部屋の湊川親方(元大関・貴景勝)の助言もあり、繰り出した右喉輪で大きくのけ反らせる快勝。新大関の大の里は小結・正代を一方的に押し出し、豊昇龍は平戸海を危なげなく押し出してともに3連勝。平幕の若隆景や熱海富士ら7人が勝ちっぱなし。 2場所前の快進撃を思い出させる初日からの3連勝だ。隆の勝は優勝決定戦へ進んだ名古屋場所と同じ東前頭6枚目の番付で、翔猿との連勝同士の対決に圧勝した。 「負け続けてきた相手。怖がらないで、足だけ出そうと思いました」 幕下や十両時代は5連勝したが、入幕後は3勝6敗と苦戦。業師を相手に、雑念を排して前へ出ることに集中した。攻撃の起点にしたのは、右かち上げからの喉輪。小柄な相手だけに得意の右は差せなかったが、弓なりにさせて主導権を握った。 湊川親方が場所前、稽古場で若い衆を諭していた。突き押し相撲で優勝4度の元大関は「立ち合いで負けないように。でないと、右を差しても生きてこない」。その言葉が、投げかけられた相手ではない隆の勝の胸で響いた。 以来磨いた右喉輪。「うまく取り入れられているかなと思う。差すための前段階、喉輪をずっと稽古してきた」。隆の勝は湊川親方の2学年上、角界入りも中学卒業後で4年以上も早い。最高位は関脇で、元大関に抜かれたとはいえ、その言葉を受け入れる柔軟さがある。 名古屋場所前には3学年下の一般女性との結婚を発表し、発奮材料とした。4勝3敗の中日から8連勝し、優勝決定戦は照ノ富士に寄り切りで敗れたものの、敢闘賞に輝いた。その12勝した名古屋場所は初日、2日目が連敗発進だったが、連勝発進した今場所の結末は?一年納めの場所の新たな見どころとなりそうだ。