追悼慰霊式で冥福祈る 北海道七飯町のばんだい号墜落事故から53年
【七飯】1971年に七飯町の横津岳に東亜国内航空(現日本航空)のYS―11型機「ばんだい号」が墜落した事故から53年となった3日、事故現場近くの慰霊碑前で追悼慰霊式が執り行われた。日本航空(JAL)の鳥取三津子社長や杉原太町長、JALグループ社員、遺族など約30人が故人をしのび、碑に花を手向けた。
ばんだい号は同年7月3日午後6時ごろ、丘珠から函館に向かう途中、函館上空で空港管制室との通信が途絶え、消息不明となった。翌日、陸上自衛隊のヘリコプターが横津岳の斜面に墜落している機体を発見。この事故で乗客64人、乗員4人計68人全員が犠牲となった。 式では参列者が黙とうし、慰霊碑に献花。函館空港に勤めるJALスタッフが安全の誓いをつづったメッセージカードも供えられた。鳥取社長は追悼の辞で「事故を決して風化させず、改めて教訓として胸に刻み、さらなる安全性向上に取り組み、社員全員で安全を守り抜く」と述べ、社員らが同社の安全憲章を読み上げ、再発防止を誓った。 事故で父を亡くし、母と2人で参列した函館市杉並町の看護教員、浅野智子さん(54)は「会社も誠意を持って式を続けていただいている。再び事故が起きないよう、長く伝えていくことが大事」と話していた。
函館新聞デジタル