『さよならマエストロ～父と私のアパッシオナート～』©TBS

　TBS日曜劇場『さよならマエストロ～父と私のアパッシオナート～』に出演中の玉山鉄二のインタビューコメントが公開された。 【写真】『さよならマエストロ』玉山鉄二の場面写真 　本作は、TBS金曜ドラマ『凪のお暇』（2019年）、『妻、小学生になる。』（2022年）などを手がけた大島里美脚本のオリジナルストーリー。世界的天才指揮者の夏目俊平とその娘の物語が紡がれていく。 　玉山が演じるのは、ファゴット奏者で晴見フィルの団長・古谷悟史。廃団が決まった晴見フィルをなんとか存続させるため、世界的指揮者である俊平を指揮者に迎えようと奮闘する。 　第4話では、志帆（石田ゆり子）から離婚を切り出された挙句、「ある人にプロポーズされた」と聞いて気が気ではない俊平（西島秀俊）が、その相手が古谷（玉山鉄二）であることを確信。第5話では、俊平にばれてしまったことで、古谷との関係性や晴見フィルにも大きく影響してくるか可能性が……。予想だにしない出来事に動揺する俊平は、志帆の元を訪ねる。 　誠実で心優しい晴見フィルハーモニーの団長・古谷を演じている玉山。ここまで演じてきて改めて思う古谷の魅力を次のように語る。 「『純朴さ』『一生懸命さ』そして『愛嬌』ですかね。僕は古谷を演じる時、この3つをす ごく大事にしたいと思っていて。なんだか憎めないというか、視聴者の方々が持っている 母性みたいなものをくすぐれるキャラクターになればいいなと思っています。一応恋愛の 要素もありますが、そこも変に生々しくなく、視聴者の方が見ていてほっこりできる感じ にしたいなと。あまり台本を読んで決め打ちせず、現場で思い浮かんだものをとめどなく やってみてから、出し引きするように心がけています」 　特に思い出深い回や印象的なシーンについては、「やっぱり古谷にスポットが当たる第4話は印象的です。大輝（宮沢氷魚）に志帆への思いをパンパンに膨らまされて浮かれている古谷や、すごく緊張して告白する古谷、志帆にときめいてキラキラしている古谷。一方で俊平に対しては引け目があるし、俊平に人として愛を持っていて、だからちょっと切ない気持ちも抱えていたりもする。第4話には、一辺倒じゃないいろんな古谷の顔が詰まっていると思います」と、古谷というキャラクターについて説明しつつ、第4話を振り返った。 　そんな第4話では、志帆にプロポーズをした相手が誰なのかを探りながら指揮をする俊平と、悟られないように必死な古谷という、最後のオーケストラのシーンでの2人の演技も見どころに。玉山は、このシーンでの西島との共演をどのように感じていたのだろうか。 　西島との共演については「僕も何度か西島さんとご一緒していますが、あのシーンの終盤の西島さんと僕のカットバックとかは、僕の知らない西島さんのお芝居や表情が見られて新鮮でした」と西島の新たな一面を発見したことを明かした。さらに「西島さんのマネージャーさんも『僕もあまりこういう西島見たことないです』とおっしゃっていて。そう思うと貴重な現場でご一緒させていただいているなと思うし、そういう西島さんのお芝居を噛み締めながら、どんな自分が出てくるかに自分自身もわくわくします」と現場でのエピソードを交えつつ、振り返った。 　以前、楽団での撮影を「部活みたい」と話していた玉山。今回改めて“チーム感”は高まっているのかと聞かれると、「そうですね、すごく居心地がいいです。現場にずっと残っていたいし、みんなとずっとおしゃべりしていたい感じ」と現場の居心地の良さを語った。また、「僕自身学生時代はずっと陸上部でしたが、それ以降みんなで何かを作り上げるっていうことがあまりなかったなと思っていて。だからちょっとした青春みたいな感覚というか。撮影が終わっても楽器を続けるかどうかは分からないですが、この作品が例えば今後また違う形でできて、またファゴットに出会えるかもしれないし。僕はそれを楽しみにしています」と学生時代を振り返りつつ、今後への期待を込めたコメントを寄せた。 　最後に、第5話以降の展開に向けて次のようにメッセージを送った。 「古谷に関しては“一生懸命”がゆえに笑えてくる感じになればいいなと思っていたので、驚いた時のリアクションをすごく強めにやったし、結構抑えることなくやり切っていて（笑）。彼が正直で純粋がゆえに笑えるポイントがたくさんあると思うで、楽しみにしていてください。改めて感じるのが、このドラマって本当に悪い人やずるい人がいなくて、キャラクターみんなが一生懸命に生きていて、問題にぶち当たった時に一生懸命乗り越えようとしていますよね。そしてやっぱりチームで何かを乗り越えることの素晴らしさや清々しさもある。今のような時代だからこそ、人が再生・成長していく姿を描いたこういう“王道”なドラマを、たくさんの方に見てもらいたいなと思います」