健康や地域の魅力向上に 「諏訪湖サイクリングロード」全線開通
長野県の諏訪湖を自転車でぐるりと巡る「諏訪湖サイクリングロード」が全線開通し、20日、記念式典やイベントが各地であった。県と岡谷、諏訪、下諏訪の湖周3市町が進めてきた諏訪湖を生かしたまちづくり。その中核となる事業の完成で、観光振興や住民の健康増進など多方面の効果が期待されている。【宮坂一則】 【写真まとめ】湖面の氷がせり上がり…「御神渡り」の絶景(2018年撮影) サイクリングロードは2016年度に基本計画を策定し、18年度に着工。標高759メートルの平坦な諏訪湖畔に整備され、完成した所から順に供用を開始。4月1日、全線の約16キロがつながった。並行して湖を周回するジョギングロードもカラーを統一したゴムチップ舗装を施すなど再整備した。道幅はともに3メートルを基本とし、県によると総事業費は21億8900万円。 諏訪市内のホテルで開かれた全線開通記念式典には、事業主体の県と3市町のほか、国土交通省、観光や商工の団体、警察、施工関係者らが出席。3市町を代表して金子ゆかり諏訪市長が「観光や地域の皆さんの健康増進、地域の魅力向上に期待する」、阿部守一知事が「諏訪湖を多くの皆様に訪れていただく、楽しんでいただく(場所にする)大きな大きな一歩を記すことができた」などとあいさつした。 式典終了後、会場近くの諏訪湖間欠泉センター横のロード上でテープカットをして、住民待望の事業完成を祝った。拍手の中、先頭を切って自転車で走った同市中洲の小学1年生、堀川康希さん(6)は「楽しかった。休みに父ちゃんと母ちゃんと一緒に走りたい」と笑顔で話した。 今後はトイレやベンチ、飲料の自動販売機、自転車の空気入れなどを備えた休憩施設「スワレイクサイドオアシス」を12カ所に設置する予定。より快適に利用できる環境を整え、諏訪湖を生かしたまちづくりや観光などの利活用に官民一体で取り組む。