北口榛花が女子やり投げV 最終6投目で逆転優勝 セイコー・ゴールデングランプリ/陸上
陸上・セイコー・ゴールデングランプリ東京 (19日、国立競技場)女子やり投げは昨夏の世界選手権覇者の北口榛花(26)=JAL=が最終6投目で63メートル45をマークし、逆転優勝した。男子100メートル決勝は柳田大輝(20)=東洋大3年=が10秒21で初制覇。世界選手権6位のサニブラウン・ハキーム(25)=東レ=は8位に終わった。 約2万人の観客に手拍子をあおる。北口は重たい雲を切り裂くように、最後の一投を放った。63メートル45の好記録をマークし、トレードマークの笑みがはじけた。 「陸上を始めて、こんなに国立にお客さんが入っているのは初めて。これが続けばいい」 1投目は出場11人中7番目だったが、「逆転の北口」に焦りはない。昨夏の世界選手権(ブダペスト)でも最終投てきで逆転した世界女王は、チェコから駆け付けたセケラクコーチに「ハイチュウ食べな」と好物を勧める余裕で、見事に立て直した。 課題に挙げていた上半身と下半身の連動性にも手応えをつかんだ。「やっと上半身が自分の扱えるものになってきた」。今季は3戦3勝と順調に進んでいる。 今後は再び活動拠点のチェコで調整する。「メダルを取って帰れるようにしたい。8月まで焦らずゆっくり、根を詰めすぎずにやっていけたら」と北口。東京五輪で悔し涙を流した国立で、更なる飛躍への鍵をつかんだ。(川並温美)