なぜ?雪国なのに南国の青パパイア栽培 免疫活性化の効果に着目、収益化図る 農家たちが挑む背景にある問題とは…
豪雪地で4年目の挑戦
豪雪地で南国の「野菜」を栽培―。長野県飯山市瑞穂地区のみずほ営農組合が、地域の荒廃農地や有害鳥獣の対策として、青パパイアの栽培に取り組んでいる。体の免疫を活性化させる効果があるとされることなどに着目して始めた栽培は今年で4年目。近年の夏の厳しい暑さも追い風となって生育は良好という。味や香りにくせがなく、さまざまな料理に使える「万能野菜」としてPRし、市内の道の駅「花の駅千曲川」で販売している。 【写真】雪国の畑で大きく育ったパパイアの木
サラダや炒め物、煮物、漬物に…使い方自在
青パパイアは熟していないパパイアの青い果実のことで、国内では主に沖縄県や鹿児島県などで栽培されている。同組合によると、野菜として調理されることが多い。皮をむき、種を取り除いたら使い道に合わせてカット。水にさらしてあく抜きをした後、生食のサラダにしたり、炒め物や煮物、漬物にしたりと自在に使えるという。
道の駅で販売、収益化目指す
瑞穂地区では高齢化に伴う農家の担い手不足などで荒廃農地が増加。熊やタヌキなどを引き寄せる恐れもあり、対策として菜の花畑づくりなどに取り組んできたが、収益化が課題となっていた。新型コロナ下で体の免疫機能が注目を浴びたこともあり、2021年に青パパイア約40本を試験的に定植。順調に育つことが分かり、徐々に本数を増やして今年は約20アールで120本ほどを育てている。
積雪に関係なく生産
病虫害や獣害に強いほか、管理の手間も水やりや草取り程度で比較的かからない。毎年6月ごろに苗を植え、秋に収穫する栽培は1年ごとに完結するため、積雪に関係なく生産できることもメリットという。
なじみは薄いけれど「試して」
組合長の湯本正行さん(73)は「なじみの薄い野菜だけれど食卓で試してもらい、荒廃農地を減らすことにつなげたい」。同道の駅では、大きさにより1個300~500円程度で販売している。