中野たむ（左）と上谷沙弥

　目を覚ませ！　女子プロレス「スターダム」のワールド王者・中野たむが、〝闇に落ちた不死鳥〟こと上谷沙弥（27）を改心させる。 　22日の山形・上山大会（三友エンジニア体育文化センター）では、同じ「コズミック・エンジェルズ」のなつぽい、安納サオリと保持するアーティスト王座の初防衛戦で、極悪軍団「H．A．T．E．（ヘイト）」の刀羅ナツコ＆上谷＆琉悪夏を迎え撃つ。 　取材に応じた中野は「ヘイトに関して、たむが一番気になっているのは上谷のこと…」と切り出すや「本心を確かめたい。確かめた上で、できることなら目覚めさせてあげたい。上谷はそんなことがしたかったの？　白いベルト（ワンダー王座）の最多防衛記録をつくって、QQ（クイーンズ・クエスト）を守るってあんだけたんか切って勇ましくてかっこよかったのに。一発張って、目覚めさせたい」と腕をまくった。 　7月にヘイトに加入した上谷とは、昨年のシングルリーグ戦「5★STAR　GP」初戦で対戦。その試合で上谷は特大プランチャを放った際に左ヒジを脱臼し、長期欠場に追い込まれた。 「上谷はたむのことを恨んでいて、たむのせいでああなって（闇落ちして）しまったのかなって」と予想する中野は今年の5★STAR優勝決定戦での〝再会〟を実現させ真意を確かめる予定だったが、かなわなかった。上谷は優勝決定戦に進出し準優勝したが、中野は公式戦6戦全敗で敗退したからだ。 　先日の前哨戦でも場外乱闘でニアミスしたが、上谷は何をするわけでもなく冷たい視線を向けてくるだけだったという。「ああなってから、上谷とはまだ一度も言葉を交わしたことがなくて…。ただ、何かたむに対して思っていることがあるんだろうな」と感じたという。 　上谷の本心を確かめたい理由は他にもある。昨年の5★STARで対戦する前、上谷が「勝って赤いベルト（ワールド王座）に挑戦したい」と口にしていたからだ。中野は「あのときにかなえられなかったけど、今はたむが赤いベルトを取り戻しているので、あのときの約束をかなえられる。でも、今の上谷とその約束をかなえたいかと言ったら、ちょっと違うかな。まずは上谷を目覚めさせた上で、あのときの約束だった赤いベルト戦を実現させたい」。今後のワールド王座戦線もにらんだ一戦になる。