「坂本龍馬に"世界"を教えた絵師」河田小龍、歯科医の子孫も「私にはマネできない繊細さ。この時代を変えた"異才"」と称える 表現力に長け人脈も広かった"土佐の絵師"の魅力
公満さんも驚いた、小龍の「繊細さ」。例えばこちらは、その晩年に「当時の京都府知事に頼まれて描いた」と言われる、水路工事の過程を記録した「琵琶湖疎水図誌(びわこそすいずし)」です。琵琶湖から、京都の市街地まで繋がる「水路」の様子が、「立体的」に、そして非常に「繊細」に、描かれています。 こうした「表現力」に長けた小龍は、当時、多くの幕末の偉人からも慕われていました。 また、小龍が手掛けた「漂巽紀略(ひょうそんきりゃく)」は、漂流の末に日本人として初めてアメリカ大陸に渡ったジョン万次郎の、海外生活の様子を聞き取って描いたものですが、「これを坂本龍馬に見せ、龍馬に"世界"を教えた」とされています。 人脈が広く、表現力に長けた絵師「河田小龍」。"子孫"である公満さんは、「小龍の魅力を大勢の人に知ってほしい」と話します。 ◆河田小龍の"子孫" 河田公満さん 「本当に『この時代を変えた人間じゃないかな』と思っています。作品を通して当時の生活に影響を与えていると思うので、『どんな形で影響を与えたのか』、『どんなふうに受け継いでいくのか』、皆さんにも考えてもらえたらと思います。これからも、まだ見つかっていない、小龍の新たな作品がいっぱい出てくると思うので、そのあたりを期待して、今後につなげていきたいです。『河田小龍を知ってもらうこと』が、私の役目だと思っています」 "絵で時代を変えた"、土佐を代表する画家・河田小龍の展覧会は、高知市の高知県立美術館で、2025年1月5日まで開かれています。
テレビ高知
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