【パ・リーグ順位予想】五十嵐亮太がオリックス4連覇を阻止すると考える大型補強チームと投手力充実の球団は?
【3位:西武】 西武を3位にしたのは、投手力です。先発は今井達也投手、髙橋光成投手、平良海馬投手、隅田知一郎投手、松本航投手、そしてルーキーの武内夏暉投手と揃っています。またリリーフ陣も人材が豊富で、そこに人的補償でソフトバンクから甲斐野央投手が加わった。長いシーズンを戦い抜くには投手力が必要になります。西武投手陣の充実ぶりを見れば、Aクラスに入る力は十分にあると思います。 打線については、山川選手の穴を埋めようと思っても、そう簡単に埋まるものでありません。それよりもどうやって打線を機能させていくかが大事になります。昨年は足を使うことを意識してやってきたので、今年はそこを生かして得点できるかどうか。新外国人のヘスス・アギラー選手、フランチー・コルデロ選手がうまく機能してくれれば、さらに上を狙えるのではないでしょうか。 【4位:ロッテ】 吉井(理人)さんが監督になって、派手さはないのですが、勝てる試合をしっかり取るようになった印象があります。ただ、去年と比べて戦力的に大きくアップしたかと言えば、そこまでではありません。戦い方としては、去年同様、少ないチャンスをものにして、投手陣で守りきる野球になると思います。 ロッテといえば、佐々木朗希投手です。彼の存在はすごく大きい。今までは、ある程度休養をとりながら登板していましたが、今年はローテーションをしっかり守ってもらうという位置づけになると思うので、そのなかでどれくらい勝ち星がつくのか。佐々木投手で10勝以上の貯金をつくることができれば、上位進出もありますし、優勝争いに加わることができるのかなと思っています。
【5位:日本ハム】 オフに補強も行ない、新庄剛志監督になって成長した選手も多くいます。彼らの能力をフルに発揮できれば、上位を狙えるだけの力はあります。ただ、新外国人選手はシーズンが始まってみないとわからない部分がありますし、若手にしても調子にムラがある。シーズンを戦うとなると、そうした波をいかに少なくできるかが重要になります。新庄監督はこの2年間、選手の能力を引き出すことを頭に置いてやってきました。今年はその力を安定して出せるかどうか。そこがカギになってくるんじゃないでしょうか。 日本ハムは能力の高い選手はたくさんおり、楽しみなチームであることは間違いありません。新庄監督もこの2年間、選手を見極めてきたなかで「こういうチームを目指したい」という形は見えていると思います。安定感という部分でこの順位にさせてもらいましたが、勢いに乗ればAクラスは十分にあります。 【6位:楽天】 日本ハムとは逆で、楽天はベテランが引っ張っていかなければいけないチームです。とくに投手の年齢層がほかのチームと比べてちょっと高い。そこに若い選手が出てきたら面白さはあるのですが、現時点で見えてこない。 長い目で見た時に、今の楽天は若い選手を育てなきゃいけない時期なのかなと。そこでうまくハマればいいのですが、去年の戦いからしても、大きく順位が上がるというのが見えてこないので6位にさせていただきました。 五十嵐亮太(いがらし・りょうた)/1979年5月28日、北海道生まれ。千葉・敬愛学園から97年ドラフト2位でヤクルトに入団。プロ2年目の99年にリリーフとして頭角を現し、一軍に定着。04年はクローザーとして37セーブを挙げ、最優秀救援投手賞のタイトルを獲得。09年オフにメジャー挑戦を表明し、メッツと契約。12年はブルージェイズ、ヤンキースでプレーし、13年にソフトバンクと契約し日本球界復帰。18年オフに戦力外となるも、ヤクルトと契約。19年は45試合に登板したが、20年10月に現役引退を表明。現在は解説者として活躍している。
スポルティーバ●文 text by Sportiva