【世界の宿】旅人の心をときめかせたエチオピアの宿のおもてなし『旅人マリーシャの世界一周紀行』第366回
あけましておめでとうございます。昨年から引き続き「世界の宿」シリーズも第三弾。やっぱり旅人はこんな宿に縁がある。 【写真】世界で一番肩こりに効くダンス ■エチオピアの宿でコーヒーセレモニーのおもてなし 私がエスプレッソマシンを個人輸入するほどカフェラテ好きになった背景には、カフェ大国オーストラリアでのカフェ就労経験によるものがあるが、コーヒー豆の産地を意識してブラックを飲むようになったのはエチオピアでのコーヒーセレモニーを体験したことが影響している。 2017年、私は東アフリカに位置するエチオピアを訪れた。この国はこれからアフリカ大陸縦断(サハラ砂漠以南)というハードル高めの旅のスタート地となる重要な場所だった。 アフリカの旅は基本的に"安全はお金で買う"のが鉄則。いつもなら安宿のドミトリーで宿代を節約したいところだが、首都アディスアベバでは旅人にしては贅沢な「OLYMPIA GUEST HOUSE」の一泊1000ブル(約5000円)ほどの個室に泊まることにした。 広々とした部屋には大きなベッドとクローゼット、ソファにテーブル、清潔なトイレと熱いお湯が出るシャワーもあって快適。かなり弱いがネット接続も可能で、無料朝食(卵やトースト)付き。宿泊費をクレカ払いできるなど、先進国なら当たり前なこともアフリカだとありがたみを感じる。 バックパックを下ろすと私は薬局を探しに街へ出かけた。抗マラリア剤をゲットするための、アフリカで"はじめてのおつかい"である。 アディスアベバは標高2355m。治安の悪さに怯えていたこともあってか酸素は余計に薄い。ハァハァと息を切らしながらなんとか薬局に辿り着き、崩れた地面を飛び越えてやっとのことで薬を手に入れた。 薬は蚊の発生するエリアでは日常的に服用する必要があったが、アディスアベバは高地なのですぐに飲む必要はない。副作用にはうつ症状や重度肝機能障害もあると聞いていたのでできれば飲みたくはないし、私は蚊の気配を感じるまでは飲まずに粘ろうと、とりあえずお守り代わりに鞄の底にしまった。