大阪新年互礼会 関西の再生論議が活発化
大阪新年互礼会 関西の再生論議が活発化 THEPAGE大阪
大阪の政官財合同の大阪新年互礼会が4日、大阪市北区の大阪国際会議場で2300人が参加して開かれ、各界のリーダーたちが関西再生へ向け、1年の健闘を誓い合った。会場で出席者に今年の展望を聞くと、昨年暮れの大阪ダブル選挙で、再び大阪都構想や大阪副首都論が争点になったためか、例年にも増して大阪の特色を生かした再生プランが相次いだ。
東京は追わず大阪にできることを伸ばしていく
尾崎裕大阪商工会議所会頭は「大阪が東京と同じものばかりを集めても意味がない。大阪が西日本の中心と考えた上で、大阪にできることを伸ばしていき、国全体としてバランスが取れているという方向性を目指すべきではないか」と指摘した。 大阪維新陣営の府知事、大阪市長が提唱する副首都論に関しては「現時点で副首都が何を指すのか見えてこないが、対話は重要だ。セミナーなど討議への出席を要請されれば、拒む理由はない」と語り、副首都論の検討に理解を示した。 がんこフードサービスの創業会長で大商副会頭を務める小嶋淳司さんは「諸外国と比べると、日本は政治がもっとも安定している。政治的安定をベースに、これからは個人消費が伸びて、外食産業も勢いが増してくる」と分析し、今年の経済天気予報を聞かれて「晴れだ」と太鼓判を押す。関西経済の活性化については「自分たちが主役だという認識を全員が持って立ち向かえば、必ず実現できる」と言い切った。
都市のクオリティが問われる1年に
東大阪市モノづくり親善大使などを兼務する青木豊彦アオキ会長は「大阪人には『情』がある。自分さえ良ければいいとは考えない。取引先や世間も喜ばす三方良しの精神だ」と、「情の経営」を提唱する。「製造業も、流通、観光業も同じ。儲かるという字は『信じる者』と書く。人が互いに信頼し合えば、おのずと利益は生まれてくる」と、関西商法への原点回帰を呼び掛けた。 観光振興論を専攻する橋爪紳也府立大学教授は、大阪魅力アップのカギをふたつ指摘する。ひとつは「観光資源の量から質への転換」。「海外からの観光客が増えている今こそ、観光資源の量から質への転換を図りたい。食文化でも、たこ焼きなどのB級グルメに加えて、日本文化を深く味わえるクオリティの高いもてなしを提供すべき」と話す。 ふたつ目は「都心のにぎわいを取り戻す」。いったんは空洞化が進みかけた船場周辺で近代建築巡りなどの各種イベントが展開され、船場再発見につながっている。大阪にとって、都市のクオリティが問われる1年になりそうだ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)