東京都知事選挙の序盤戦で戦略くっきり…小池氏は「公務」重視、蓮舫氏は繁華街で演説
こうした陣営の事情に共産側も理解を示す。ある共産関係者は「党所属の議員がそれぞれ駅頭などで蓮舫候補への支持を呼びかけている。党公認候補以上の活動量だ」と話した。
石丸氏はSNSで活動拡散、田母神氏は保守層を取り込み
街頭で最も精力的に動くのは、広島県安芸高田市前市長の石丸伸二候補(41)だ。毎日朝から夜まで30分刻みで演説場所を移動し、支持を訴えている。
狙いは知名度アップで、自己紹介や政治姿勢に多くの時間を割く。学生街や下町などターゲットを明確に絞り、23日はお年寄りに人気の巣鴨地蔵通り商店街(豊島区)で、「既存の政党に属さない人間が東京の知事になれば政治が変わる」と訴えた。
ボランティア約5000人がSNSを駆使して、活動ぶりを拡散しているといい、今後の演説では具体的な政策の比重も高める方針だ。
元航空幕僚長の田母神俊雄候補(75)は、保守層の取り込みに余念がない。告示日には、靖国神社(千代田区)を参拝してから選挙戦をスタートさせ、古巣の防衛省前でも演説した。その後も、保守系団体の関係者らが街頭演説に駆けつけて応援のマイクを握っている。
一方、原宿や池袋など若者が集まる繁華街では、若者向けの政策を強調し、政治への関心が低い層の掘り起こしにも力を入れる。23日は、住みたい街として人気の吉祥寺駅前(武蔵野市)で、「若い人たちの実質所得が増えるようにしたい」と演説。その後は商店街を練り歩き、記念撮影に応じていた。