千枚田120枚の実りに感謝 輪島、刈り取り始まる
輪島市白米(しろよね)町の国名勝「白米千枚田」で3日、棚田を借りるオーナー会員や地元住民らによる稲刈りが始まり、参加した約20人が震災を経て迎えた実りの秋に感謝した。 千枚田は地震であぜが損壊するなどの被害を受けており、今年の収穫は修繕を終えた約120枚に限られた。初日は石川県内外から3人のオーナー会員が集まり、地元ボランティア団体「千枚田愛耕(あいこう)会」メンバーらの手ほどきを受けながら、鎌で「能登ひかり」を刈り取った。稲の束は、わらで結み、はさに干した。 地震による土砂崩れで自宅が全壊し、妻と長男を亡くした愛耕会の出口彌祐(やすけ)さん(77)は、待ち望んだ収穫に「うれしくなった。2人が見守ってくれとるから頑張らなとの思いで、春からやってきた」と喜んだ。 オーナー会員らによる稲刈りは8日まで続く。当初は8月31日からの予定だったが、天気の影響で延期となっていた。